ピンの根元

チューニングピンを磨いてみたら、意外にきれいになったことで味をしめ「だったらここも…」と欲が出て、その下のフレーム部分のホコリなどをもう少しきれいにしたくなりました。

しかし、ピンの付け根付近は「掃除不可」といわんばかりに弦が整然と張られており、そのわずか数ミリ下をかいくぐるようにして積もったホコリを取り除くのは相当な難題です。
おまけにフレームと弦の間は数ミリと非常に狭く、道具類を差し込む余地がないから、見れば見るほど心が折れそうになります。

除去したい汚れやホコリはすぐ目の前だというのに、弦が立ちはだかって手出しができないのは、もどかしいと言ったらありません。

その難易度はピン磨きどころではないし、無理をして万が一にも弦に損傷を与えるわけにもゆかず、古典的な方法ではあるけれど、綿棒を使ってみることに。

さっそくダイソーに行って、「普通サイズ」とさらに細い「赤ちゃん用」という二種類を購入。

作業をはじめたものの、思った以上に現場は複雑ではかどらず、作業は遅々として進みません。
進まない理由のひとつは、綿棒は思ったよりも先端の接地面積が小さく、なかなか面として広がらないから細いサインペンをコチョコチョ動かしているようなもの。

あたかもファイリングされたハンマーのようで、先はごくわずかしか当たらず、こんなことをやっていても埒があかないし、仕上がりも好ましいものにはなりそうにない。
そこで、包丁用の砥石に綿棒の先端を当ててこすって、先端をほぐし、細字から太字ぐらいに拡大したらいくらかマシになりました。

しかも弦の下は普通の綿棒では入らないので、ここでは細い赤ちゃん用がずいぶん役立ちました。

あまり根を詰めると腰や肩がやられそうで、少しずつ数日にわけての作業となりました。
とくに満足というほどでもなく、別の方法も考えみようと思っていましたが、良いアイデアも浮かばないし、日が経つとだんだん面倒くさくなりました。

いやはや…ピアノの内部掃除は大変です。