最近とくに感じることですが、変な運転をする人が多いと思いませんか?
とくに男の運転がおかしい。
こんなジェンダーフリーの時代にこういうことを言ってはいけないのかもしれませんが、以前は車の運転の上手さといえばほとんど男の独壇場でした。
峠を責める走り屋といわずとも、タクシーの運ちゃん、スタンドのお兄ちゃん、白いワゴンで東奔西走する営業の男性など、かつての男の運転は今思うと根本的にテクニックの格が違っていたようです。女性の運転する車は走る後ろ姿でそれとわかり、男は舌打ちしながらもそれを諦め顔で許していましたっけ。
それがどうでしょう。いまやノロノロと気の抜けたような運転をしているのは大半が男です。
しかも驚くべきは若いお兄さんが不健康な顔つきで法定速度以下でボーッと運転していたりするのは、近頃では決して珍しい光景ではなくなりました。
車にも多少の趣味を持つマロニエ君に言わせれば、男にとっての車の運転の巧拙というのは、一つの磨くべきステイタスでもあり、世が世なら坂本竜馬の千葉道場とまではいいませんが、ちょっとした剣さばきにも匹敵する男性的たしなみのようにも考えられていた時代さえあったように記憶しています。
どんなに見栄えのいい男でも、デートして車の運転が下手でオロオロしようものなら、いっぺんで女性から軽蔑され、ときめくデートも台無しになるぐらいの厳しさがあったように思います。
とりわけバックに弱い女性は、男が見せる鮮やかなバックでの車庫入れなどに心ときめかせたそうで、バックの時に男が助手席のシートの後ろに手をまわしてグッとパワフルにバックなどすれば、そのセクシーさに呆然となるというような話はいくらでも転がっていました。
それが今ではノロノロ運転は当たり前、周囲の状況や気配もつかめずにトロトロと人の前をマイペースで走る車のなんと多いことか。もちろんただ飛ばせといっているのではないし、車は一歩間違えば凶器になるので、安全運転は大切ですが、ようはメリハリのない周囲に迷惑をかける走りをするアホが多すぎるのです。
若者の車離れが話題になって久しい今日この頃、必然的に運転も下手くそになって当然でしょうが、車に限ったことではなく、物事に対して勢いとか情熱といったものが悉く失われたようで情けない気分になりますね。
あと怖いのは女性で飛ばす人。
毎日車に乗っているものだから、運転それ自体には馴れてしまって、危険に対する意識もマヒしてくるのか、軽や四輪駆動車や巨大なワンボックスで鬼のように飛ばしてくる女性がいます。
こちらの特徴は、女性特有の「飛ばし方を知らずに飛ばしている」という点で、ノロノロ男より危険度ははるかに上を行きます。こういう女性は雨になればスリップしやすいという初歩的な知識もないまま、通い慣れたスーパーの往復などを風を切るようにすっ飛んで行き、危ない時は相手が止まってくれるものだと思い込んでいるようです。
どっちも困ったもので、ハンドルを握る身としてはイライラムカムカさせられることしきりで、さっきもそんな車にやきもきさせられ、こっちばかり疲れてしまうようでバカバカしいのですが、自分の性分もなかなか直りませんね。
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