ある日曜、友人と夕食に行くことになりました。
時間帯が少し遅くなったため行くお店も選択肢が狭まる中、どこに行こうかと考えたあげく、以前から気になっていたアメリカンスタイルの店に行ってみようということになりました。
外から見る限りはいかにもBar風というか、アルコール主体の店のようなイメージだったのですが、知人からあそこは食べるほうが中心の店ということを聞かされ、ならばいつか行ってみようかと思っていたのを折よく思い出したので、これは好都合とばかりに出かけて行きました。
事前に食べログなどで下調べしてみると、評価は普通ですが、店内の作りやメニューは徹頭徹尾アメリカンで、ずらりと並ぶソファなども原色の50~60年代のアメ車を思わせるようなもので、ハンバーガーも当然のようにアメリカンなビッグサイズ。
さっそくお目当てのハンバーガーとコーヒーを注文。
オーダーを受けてから調理するらしく、かなり待たされてようやく出てきたのは大型のプレートに、日本人のイメージの3倍はあろうかと思われる巨大なハンバーガーがフライドポテトなどと一緒にドーンと鎮座していました。
各テーブルに置かれた巨大サイズのケチャップとマスタード(必要なら塩/胡椒)を使って自分で味付けをし、バンズを重ねてかぶりつくというもので、さすがはアメリカンとこのときはなんだかわくわくしてしまいました。
ところが、実際食べ始めてみると、とくに不味いというのでもないけれど期待したほど美味しくもないことがしだいに判明。
見た目は豪快だけどあまり味がなく、ワイルドな感じのわりには塩分もかなり控えめで、ずいぶん健康面などにも気を遣っているような、なんだかよくわけのわからない微妙な味。
それというのも、調理中から期待させられたのは、ジャ〜〜ッという音とともに肉を焼く強い匂いが店内に漂いまくり、アメリカ産牛肉のステーキがコクがあって美味しいように、しっかりとした味を持つハンバーガーを想像していたのです。
はじめの数口は慣れの問題もあるからいまいちでも、口が慣れてくると本当の味がわかってくるということはよくありますが、途中で味が美味しいほうへと好転することはついにはないまま、最後のほうは少しガマンして食べたと言えなくもありません。
食べ終わったら、口の中にはなんだかへんな臭みみたいなものが残り、それがちょっと気になってきました。
マロニエ君の食べ物の評価基準のひとつとして「食後感」というものがあります。
食後感のいい食べ物はやはり美味しいものだし、材料もよく、調理もあまり変な小細工をしていない場合が多いというのが持論で、少なくともまともなもので作られた料理は食後感もすっきりさわやかです。
いっぽう、スーパーのお弁当とかファミレスの食べ物などは、やはりこの点がよくなく、いつまでも味や匂いが口の中で後を引くなど、すっきりしません。
いちおう美味しく食べたつもりでも、同時に悪いものも身体に入ってしまったというような印象を伴うことも。
そんな食後感でいうと、このハンバーガーは最悪でした。
店を出たあとはもちろん、その後4~5時間たってもなんだか口の中に何か残って消えない感じがあるし、ちょっとあくびをしてもさっきの肉の匂いがふわんと立ちのぼってきて、何度も気持ち悪くなりました。
こうなるとお茶やコーヒーをどれだけ飲んでも、歯を磨いても変化ナシ。
それも牛肉の匂いと言うよりも、なんだかケモノ臭的な感じがするのが気になりました。
こうなってくると、あれは本当に牛肉だったんだろうか?というちょっと気味の悪い考えまで頭をかすめてきて、そのたびにヘンなものを食べてしまったのではないかという疑いと不快感が消えなくなりました。
友人に聞くと、やはり同じらしく、「あれってジビエなのかなぁ?」などと言い出す始末。
お店に電話して聞いてみようかとも思ったけれど、もし表示と違うものを使っているならそう簡単に口を割るはずはないだろうし、すでに食べてしまったものはどうしようもないから、とりあえず諦めました。
もちろん、二度と行きません!
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