1月5日の朝、何気なく新聞のTV番組表を見ているとピアノという文字がフッと目にとまりました。
するとどうでしょう、NHK-BS1の1月5日は、朝の9時から16:30までピアノ三昧とのこと。
09:00〜 空港ピアノ「マルタ島」45分
10:00〜 BS1スペシャル「ショパン・時の詩人たち 第一回国際ピリオド楽器コンクール」110分
00:00〜 BS1スペシャル「もうひとつのショパンコンクール〜ピアノ調律師たちの戦い〜」110分
14:00〜 駅ピアノ「チェコ・プラハ 特別編」45分
15:00〜 BS1スペシャル「瓦礫(がれき)のピアニスト」50分
16:00〜 駅ピアノ「多民俗都市 アムステルダム」15分
16:15〜 空港ピアノ「音楽とともに シチリア島」15分
という具合に、途中ニュースなどを挟みながら、番組のみで計370分、実に6時間10分にわたって、ピアノ関連の番組が放送されたことになります。BSだからこそできることだとしても、なんたる気前の良さ。
マロニエ君は個人的には、駅/空港ピアノのたぐいはあまり興味が無く、無造作に置かれた一台のピアノを通じてさまざまな人間模様に触れる趣向だろうと思いますが、延々同じことの繰り返しで、テレビで素人の演奏を聴いてまで楽しむ趣味はないので、これはいつも見ません。
続く「ショパン・時の詩人たち 第一回国際ピリオド楽器コンクール」「もうひとつのショパンコンクール〜ピアノ調律師たちの戦い〜」「瓦礫(がれき)のピアニスト」はいずれもすでに見ていたので、残念ながら個人的に新鮮なものはひとつとしてありませんでした。
とはいえ、せっかく放送されるのだから、なんだかもったいないような気がして、いちおう録画してしまいました。
それにしても、これだけの長時間、NHKがピアノの番組を集めて半日がかりで放送したというのは、ただただ驚くばかり。
娯楽も趣味も多様に広がる時代だからこそ、BSチャンネルでコアなファンのための番組を制作することもできるようになったのでしょうし、昔と違って、ピアノが大人の楽しみとして注目されて、そこそこ人気があるという小さな社会現象ということなのか。
あるいは世の中のほとんどがハイテク浸けになった今日、ローテクの塊で裏ワザや早道のない、地道な練習を積み上げていくしかないピアノが、これまでとは違った方位から注目されているのか、そのあたりのことはよくわかりません。
ただ、マンガにも「ピアノの森」や「ピアノのムシ」、小説にも「羊と鋼の森」や「蜂蜜と遠雷」などピアノを取り扱ったものが続々と登場して映画にまでなるあたり、いったいピアノはどういう捉え方をされているのか、マロニエ君は正直いってさっぱりわかりません。
わからないけれど、それでも何か理由でピアノが少しでも注目されるのは嬉しいことに違いないし、そこに端を発してこのような書籍やTV番組が増えていくのは、ピアノ好きとしてはわくわくではありますね。
それとはまったく逆行しているのがCDの世界?
一時は新しく発売されるCDが多すぎて、その情報を追いかけるだけでも大変だったのが最近ではウソのように激減、ピアニストは星の数ほどいるのに大半はアーティストといえるような存在はほとんどなく、おまけに過去の音源はネットから聴きたい放題で、新譜が売れない条件が皮肉なほど揃っているのか、とにかく異様なほど少なくなりました。
もはや1枚のCDに対して2〜3000円投じて購入するという感覚がなくなったのでしょうけど、このままではプロの音楽の衰退に繋がりはしないかと思うなど、今はとかく変化が急激すぎて疲れます。
と、なんとなくここまで書いていたら、さらに翌日6日の新聞の番組表で再びびっくり!
昨日に続いて、またもBS1で
22:00〜 BS1スペシャル「私は左手のピアニスト〜希望の輝き 世界初のコンクール〜」110分
というのがあり、さっそく録画セットしました。
まだ見ていませんが、これは初めてで楽しみ。
この道の日本を代表する技巧派の智内威雄氏も出演とあり、いやが上にも興味は高まります。
これを加えると2日間で480分、すなわち8時間にも及ぶピアノ番組というわけで、これは大変なお年玉となりました。
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これで終わりかと思ったら、さらに7日の23:55から今度はNHK総合で「ピアノの森」がアンコールとして5話連続で放送されるようで、どうなってんの?って感じです。
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