梅雨の辛抱

今年の梅雨は、全国の多くの地域が大変な大雨に見舞われ、ニュースではしばしばその状況などが報道されています。

「平年の1ヵ月分の雨がわずか1日で…」といったフレーズを短期間のうちにずいぶん聞いたような気がしますが、どういうわけか今年の福岡地方は降雨エリアから外れているようです。
まるで布団の中から足の先がわずかに出ているように、天気図に広がる低気圧から福岡はいつもちょこんと抜け出ていて、梅雨入りしたにもかかわらず、むしろ雨とは縁遠い毎日が続いていました。

ところが、月曜午後あたりから今度ばかりは「降りそうだ」という気配を感じました。
こんなブログの場で自分の健康に言及するのは甚だ趣味ではないのですが、マロニエ君は以前から慢性的な喘息体質で、とりわけ湿度に大きく影響されてしまいます。

湿度が高いと呼吸が楽ではなくなり、そういう意味では、マロニエ君が除湿器を始終回しているのはなにもピアノのためだけではないと云えそうですが、自分ではもっぱら「ピアノのため」という意識だけでONにしていて、結果として自分もちゃっかりその恩恵に与っているというかたちです。

不思議なのは湿度がいけないと云っても、だったら入浴などで不具合があるのかというと、それはまったくありません。専ら天候がもたらす湿度+αがいけないようで、その差がなんなのか自分でもよくわかりません。

さらに気が付いたことには、いっそ雨が降り出してしまえばまだしも落ち着く喘息ですが、雨になる直前のあのムシムシする状態が最も身体に悪いように思います。
おそらくは気圧やらなにやら、大自然が生き物に与える何らかの影響があるのかもしれません。

赤ん坊の出産とか人の最期も潮の満ち引きなどに関係があるとも云われますし、低気圧が近づくと古傷が痛むなんて人もあるようですから、私達はそういう大自然の法則の中に生かされていて、それに抗うことはできないようになっているのかもしれません。
だからこそ、なんとか梅雨の時期と仲良くやっていきたいところですが、その努力の甲斐もないほど影響があって嫌なので、それに較べると真夏や真冬はむしろサッパリした気分で過ごすことができるようです。
むろん個人差が大きいと思いますが。

そんなわけでこの季節のエアコンは、いわばマロニエ君の健康維持装置ともいえますが、エアコンも万全ではなく、一定温度に達するとサーモが働いてぬるぬるした空気が入ってきたりしますから、今度はそういう死角のないエアコンに交換したいところです。

もしマロニエ君が人も羨むような大富豪なら、べつに夏の避暑はしなくてもいいけれど、梅雨を避けるためにこの季節だけカラリとした外国へ行って、ピアノ屋巡りやオペラ三昧でもやってみたいものです。
朝の連続ドラマで主人公が「想像の翼を広げる」としばしば云いますが、マロニエ君がそれをやるなら、ヨーロッパをほうぼう回って、気に入ったものがあれば、戦前のプレイエルなどと一緒に帰国できれば、そりゃあもう、この世の極楽ってもんです。

…そんな夢物語を云ってみても、現実の梅雨はまだまだ当分は続きそうですし、そこから逃げ出す術はないわけで、なんとかこの時期を無事通過するよう気張るほかはなさそうです。