泡発生器

昨今の100円ショップの商品の充実ぶりは目を見張るばかりで、ここで新製品に出会うことも珍しくはありません。先日、シャンプーなどのボトルが並んでいる中に、「泡の出る容器」というのがありました。

そういえば、我が家にはないけれど、お店などの洗面所などで使った覚えのある、ノズルを押すとシュワシュワときめの細かい泡が出てくる手洗い用の洗剤があり、これは市販もされていますから、すでにご自宅などでお使いの方も多くいらっしゃることでしょう。

あれはたぶんノズルの構造に秘密があるのだろうと思っていたのですが、まさにそういうものが100円ショップで売られているということは、やはり泡の正体は洗剤そのものではなく、洗剤が通るノズル部分であるということを直感しました。

おもしろそうなので、さっそくこれを買ってみたのですが、説明書きによると、使う洗剤の指定や制限はとくになく、何かしらの洗剤を容器に入れて、それを「10倍に薄める」と指示されていました。
ここでなるほどと思ったことは、使用時に瞬時に細かい泡を発生させるには、濃い洗剤だと却ってその妨げになるようで、これは例えばシャボン玉遊びをする際にも、使う石けん水の濃度というか、薄め具合が重要なポイントになることを思い出しました。

さて、手を洗うのに中性洗剤というわけにもいかないので、とりあえずボディソープを入れて、それを指示通りに(厳格にではありませんが)約10倍になるまで水を加えました。よく振り混ぜた後、いよいよ問題のノズルを数回押してみると、果たしてかわいらしい雲のような泡がモコモコとでてくるのに思わず感心しました。同時に、こんなカラクリによって泡の手洗い洗剤などが市販されていることにも、なーんだ!という気分でもありました。

泡というのはおもしろいもので、最近は下火かもしれませんが、ひところブームだった美白用洗顔石鹸などがしきりにCMなどで宣伝されていましたが、それによれば、石鹸そのものの成分もさることながら、専用のネットに石鹸を入れて両手で数回こすると、まるでメレンゲのような泡ができて、それをお肌にどうこうするというものでした。

マロニエ君宅でも、一度だけ(1個だけ)これを購入して家人が使ってみたことがありましたが、なんだか顔がヒリヒリするというので、それっきりになってしまったのですが、その価格は決して安くはないものでした。そのふわふわの泡を作る専用ネットというのが箱に入っていましたが、どう見てもただのナイロン網を何枚かに折り重ねて袋状にしただけのものにしか見えず、はああ?といった印象でした。

すぐに変なことをしてみたくなるマロニエ君としては、どうも、その特別な石鹸の性質だけがあのなめらかな泡を作り出すとは思えず、その網袋に普通の石鹸を入れてみたのですが、果たしてまったく同じような濃密なクリームのような泡がいとも簡単にできました。
では、その網袋が特別なものかと云えば、これもさにあらず。色が白で、石鹸サイズに縫われているという以外、とくにどうということもなく、極端にいえば、台所の排水口用ネットと大差ないもののようにも思えました。
そこで、これに普通の石鹸を入れて、適当に折り畳んで両手でこすってみると、いとも簡単に洗顔石鹸専用の網袋の場合と同等の、きめの細かいふわふわした泡がいくらでもできることが判明しました。

要するに、どんな石鹸や洗剤からでも、あの手の泡は作り出せるというわけです。
だからどうした…ということもないのですが、意外になんでもないことってあるんだなあという、まことにくだらない確認をしたという話でした。