謎の自転車

昨日の午前中、我が家のガレージのシャッター前に見知らぬ自転車が止まっていました。

ここは、すみに寄せるかたちで、うちに通勤してくる人の自転車が2台と原付バイク1台を止めるようになっているのですが、そこへもう一台、普段ないはずの自転車が、さも当たり前のような感じて止まっていました。

てっきり誰か来ているのかと思ってしばらくそのままにしていましたが、午後になっても一向に動きがなく、誰に聞いても心当たりがないようでした。

ガレージ前といっても、道路ではなく、れっきとした我が家の敷地内のことなので、どう考えても人が間違って置くような場所ではありません。
しかも、他の自転車ときれいに並べるようにして奥側に止められており、おまけに車輪には鎖で施錠までされているので、単なる放置自転車とも思えません。よって、この自転車をめぐって持ち主探しにかなりの時間と神経をとられることになりました。

しかし、まるで手がかりナシで、数時間経過するとだんだん気持ち悪くなってきました。なにしろ、よその敷地内に侵入して平然と自転車を置き、鍵をかけてその場を立ち去るというのは、まともな神経の持ち主のすることではなく、こちらとしてはかなり不気味です。

のみならず、中の車の出入りも非常にしづらい状況となっており、現実的な迷惑でもあるわけで、午後には道路までは移動だけはしました。もちろん片輪は施錠されているので、そちらを持ち上げながらですが、触るだけでもいい気はしません。

そうこうするうちに、あたりは暗くなる時刻(午後5時半過ぎ)となり、ついに警察に通報することにしました。
警察官が来てくれたのは6時少し前で、もうすっかり暗くなっていました。
状況の説明や確認をやっていると、そこへなんと、ひとりの若い女性が突如としてあらわれ、無言のままその自転車の鍵をさっさと外し、平然とした調子でその場を立ち去ろうとしています。

これを見て、あわてた警察官は、「貴女が止めたんですか?」「ここは他人の敷地内ですよ」と声をかけますが、それで動作が止める様子はありません。
捨てぜりふみたいな不機嫌な言い方で、小さく「すみません」という言葉は聞き取れましたが、警察官がちょっと待って!というのも無視して、サーッと走り去っていきました。

???…これってどういうこと…信じられない光景でした。

つくづく自転車のタチが悪いのは、こういう状況でも警察官はその人が立ち去ることを強制的に阻止するとか、追いかける権限がないということだろうか…と思いました。
少なくとも車やバイクは免許証というものがあるので、こんな勝手な行動(というか逃亡)なんてぜったいに許されませんが、どうやら自転車はその限りではないのでしょう。

あとに警察官とマロニエ君はポカンと取り残されたのみ。

そして、それ以上、どうすることもできません。
「もし同様のことがあったら、交番でも、110番でも構わないので、すぐに連絡してください。」と言い置いて帰っていきました。

それにしても、警察官相手にとっさにこういう態度をとるというのは、まともな市民の感覚とは思えませんが、つい今の若い人の悪しき行動パターンの典型のようにも受け取れました。

あとから考えれば、道路上に移動させないでおいたほうが警察官も明確な態度が取れたのかもとも思いましたが、それはあくまでも結果論に過ぎず、再び敷地内に入られることのほうがやはりイヤですね。

釈然としない、後味の悪い出来事でした。