油断禁物

ある日突然、BS放送が一切映らなくなりました。
我が家は地上波の放送はケーブルテレビですが、BSはベランダにアンテナを取り付けてそこから受信しています。

このBSアンテナのすぐそばに木があって、枝葉が茂ると受信電波を阻害するので、今回もそれだと思って「高枝切り」を使って可能な限り周辺の枝を切り落としました。

高枝切りというのは自重もある上に刃先との距離があるぶん、作業はやり辛く、腕から肩にかけてガクガクに疲れるので、できるだけやりたくないのですが映らないとなればやむを得ません。
「さあこれでよし!」というわけで勇んでテレビをつけてみますが、果たして何の変化もなく、あいかわらず画面には「受信できません」という無情な警告が出るばかり。

それで購入した電気店に電話したところ、アンテナの調整に来てくれることになりました。
テレビとアンテナの間を何往復もしたあげく、設定などもやり直した結果、めでたくBSは復活し、出張料や作業代を支払って一件落着となりました。BSの電波受信もすこぶる良好とのことで、その点も一安心でした。

…のはずだったのに、それから数時間後、なんとなくBSにしてみると、なんと、また「受信できません」の警告が出ていることに愕然!
すぐに電話しましたが、その日はどうしても他の予定があるというので、翌日また来てくれて、DVDレコーダ内のBSアンテナ設定というのが「切」になっていたというので、「入」にすると映るようになるようです。

で、その設定画面の呼び出し方なども教えて帰って行かれましたが、信じがたいことに、また時間を置くと「受信できません」となり、どうやらひとりでに設定が「切」になってしまうようでした。それを伝えると、受信状況に問題はないことからも、レコーダの故障以外には考えられないということでした。
やむなくレコーダの修理受付に電話したら、出張代+修理代で、金額も見てみないとわからないということで「できれば買い替えられたほうが…」という決まり文句を聞かされる羽目に。

店側に残っている記録によれば、購入後7年が経過しており、それを修理するより、もはやブルーレイレコーダでも買ったほうが得策だというのもたしかに一理あります。出たてのころはずいぶん高かったブルーレイレコーダも、今では安いものなら3万円台からあるようで、さらに機種によっては容量が1TB(現在の250MBから一気に4倍)となったり、2番組同時録画なども可能だったり、なんと無線LAN機能のある機種同士なら別の部屋のレコーダと内容を共有することもできるなど、いま使っているものとは比較にならない多機能ぶりのようです。
ブルーレイレコーダは、これまでのDVDディスクの再生も可能だというので、それならDVDレコーダにこだわる必要もなく、けっきょく新しく買うことになりました。

できれば前回同様の大型電気店で買って、5年保証などのアフターサービスなどにも期待したいという漠然とした考えがあったのですが、よくよく話を聞いてみると、いざ故障というときは来てくれるのではなく、自分で店舗まで機器を持って行かなくてはならない(ということは取りにも行く?)など、その内容は期待ほどではないことがしだいにわかってきました。

近くの店頭で購入しても、いざ故障したときはそんな手間隙がかかるならメリットも薄らぐようで、ネットでもっと安く買ったほうがよほどせいせいするというものです。
ネットでは、これというお目当ての機種は4万円台前半で買えるのですが、これを店頭で買うと、どこも6000円から10000円ほど高くなり、しかも取り付け料も数千円が別途請求とのこと。ふーん…。

で、ネット購入に絞ったわけですが、こっちにもオプションで5年保証というのがあり、それに加入するには、これもまた店によって差がありますが、おおよそ3000円ぐらいが相場のようでした。
せめてこれぐらいは付けておいたほうがいいかなと思いつつ、遠方の店から通販で買った場合、どういう流れで保証を受けるのか気になったので直接電話して聞いてみることに。

その結果わかったことは、1年以内はメーカーの保証を使い、それ以降5年以内に発生した故障に関しては、購入店ではなく「保証会社」へ自分で連絡して手続きを行うというもので、機器も自分で取り外して、自分で梱包して、メーカーの修理受付の手続きをした上で発送するという、要するにすべての作業を自分の手でおこなうというものでした。

さらに手続き開始から修理完了まで、早くても2週間、場合によっては一ヶ月ほどかかることもあるらしく、その間は当然ながらレコーダは無しの状態になるわけです。代替機のことを聞くのは忘れていましたが、あの調子ではそんなものあるはずがないという印象でした。
それでもいいという方もいらっしゃるかもしれませんが、マロニエ君にしてみれば「そんな面倒くさいこと、ヤなこった!」というのが偽らざるところです。

ちなみに「安心」や「信頼」を標榜する大型電気店とどこが違うのかというと、どちらもメーカーで修理することに変わりはなく、大型店では修理の受付を店頭窓口で代行するという、たったそれだけの事!のようです。要するにネットで買ってもメンテ上のデメリットはほとんどなく、購入価格が安いだけマシだというのが率直なところです。

5年保証などと謳い文句だけは尤もらしいけれど、実際にそれを使うとなると、煩雑きわまりない現実が待っていることがわかって、自分の性格からしても、そこでまた不愉快やストレスでヘトヘトになるのは目に見えており、これもやめてしまいました。フウフウいったあげくに一ヶ月もビデオのない状態になるくらいなら、安いレコーダでも買ったほうがマシかもしれません。

なんだかトリックのようで、印象としては、安心や信頼とは真逆の、なにかにつけ気を許せない世の中だなぁという後味だけが残ります。こんなことも「自己責任」ってやつかと思いますが、何にしてものほほんとはしていられない時代なんだなあと思うばかりです。