どうしましたか?

電話をかけたとき、相手の第一声というのは大事ですね。
最初に発する言葉やテンション、明暗の調子でこちらの気分もずいぶん違ってきますし。

なかには、会話になると至って普通なのに、第一声だけはやけに暗く「うわ、まずいときにかけたのか…」と思わず不安になる人などもいますね。ただのクセなのかもしれませんが、けっこう焦ります。

むかしは「もしもし」が普通でしたし、固定電話全盛のころは「はい、○○でございます」と自ら名乗ってくださる方も少くありませんでした。

それがケータイの普及にともない、少しずつ変化が起こってきているのを感じます。

とくに双方ケータイである場合は、アドレス帳に登録していただいていることが多いため、呼び出しの段階で先方の端末には誰からの電話かがわかるため、いきなり「どーもー!」とか「こんにちわー」などというパターンも珍しくなくなってきました。

ただ、マロニエ君の場合は保守的なのか、切り替えが下手なのか、いきなりこういう調子に和していくのがイマイチ苦手で、むこうはもう名乗りの部分をすっ飛ばしてきているのに、いまだに「もしもし、○○ですが…」などと思わず言ってしまうこともよくあります。

まあ、それぐらいなんということもないし、すぐに会話になっていくでの問題はないのですが、どうも個人的にはいただけないと感じる第一声もあったりします。

そのひとつが、
「あ、もしもし。どうしました?」「あ、○○さん。どうしましたか?」っていうパターン。

何エラそうに言ってんの?というか、なんだか微妙に失礼な気分。
こういう言い方が、最近は流行っているんでしょうか。
しかもこれ、そもそもどういうつもりなのかと思います。

マロニエ君にはその心境がさっぱりです。

普通に電話しただけなのに、いきなり「どうしました?」と反応された日には、はぁ…どうかしなきゃ電話しちゃいけないの?とつい反発心から思ってしまいます。
これはニュアンス的に、どこか上から目線な言い回しだとも感じるので、おそらく言っている側は大した意味もないのだろうとは思うけれど、聞くたびにちょっとムゥ…ときてしまいます。

しかも相手に悪意がないというか、ふつうのむしろオシャレな対応だと思っているらしいところがよけいにイラッとします。
どうしました?と相手に「聞いてあげる」ところに、余裕ある自分を演出しているのか。

おそらく、はじめは誰かからそういう言われ方をしたことがきっかけで、いつしか自分も採り入れて、言う側に転身したのだろうと思われます。
というか、この言い方をする人がチラホラいるし、それらが皆、自分のオリジナルだとは到底思えませんから。

こういう言い方が、今風で、さばけた感じというような無意識の意識が潜んでいるのかもしれません。
ま、なんだかしらないけれど、言われたほうは、まるでさも緊急の要件か、困ったことが起こって助けを請う電話であるかのように扱われているみたいで、どうも納得がいきません。
どうかしたとしたら、よほどチカラにでもなってくれるのかと聞いてみたくなるほど。

110番や保険会社ならそれもいいかもしれませんが、ふつうの個人には不適当な気がします。

言葉というものは、どういうつもりで言っているにしろ、それ自体に普遍的な意味やニュアンスがあるので、やっぱり相手側の気分を害さぬよう、誠実に使わなくてはいけないとあらためて思うこの頃です。