これも地域性

「偏見」という言葉をウィキベディアで見てみると、おおよその意味するところはわかったような気がしました。

「十分な根拠もなしに他人を悪く考えること」だそうで、「新しい証拠にもとづき自分の誤った判断を修正できるなら、偏見ではなく予断に分類される」とあって、なるほどと思いました。

この説明に添って考えると、「十分な根拠があって、新しい証拠が出たときに自分の判断を修正する用意がある」のであれば偏見ではないと考えてもいいという裏付けを得たようで、差し当たり自分の頭にあったことが偏見ではないと意を強くしました。

というのも、マロニエ君は関東地方のあるエリアにいささか否定的イメージを抱いており、そこには一定の経験と根拠と自信を持っているのですが、さりとて声を大にして言えることではなく、現実は現実だからしかたがないというところです。
市というのでは少し足りないし、県というのでは広すぎるので、その間を取ってここではエリアとしますが、全国的にもつとに有名で、それも非常に高評価をもって上位にランクされてしまうエリアなのですが、どうしようもなく感じてしまう固有の気質というか土地柄みたいなものがあって、それがマロニエ君としてはどうも好意的には受け止められません。

虚栄とニセモノ感にあふれ、人間的にもあまり感心できない気質をもつ人の比率が高いと経験的にも感じます。ちなみにマロニエ君は若いころ2年ほどこの地に住み暮らしたこともありますが、充実した東京生活とは打って変わって、こんなにも違うものかと深く失望したことは今でも忘れられません。
このエリアの人達は、身の丈を超えた自信を持ち、それは通常の地元愛みたいな可愛気など微塵もないもの。作られたイメージに悪乗りした思い上がりというべきで、日本人らしい慎みが薄く、おしなべて信頼という点でも疑問があります。
それはある意味、東京という大都会に対して根底に流れるコンプレックスの裏返しなのかもと思いますし、このエリアが辿ってきた歴史的経緯とも無関係ではないと思います。

さて、今年の7月の下旬のこと、車好きの知人がある中古の輸入車を購入することになり、ネットの中古車検索サイトから全国を探すことになりました。全国と言ってもベンツやビーエムではないので大した数ではなく、ヒットするのはせいぜい20台ほどで、その結果、ある1台が候補に上ったようでした。
仕事が忙しいこともあって、現地には赴かず写真のみでの判定だったようですが、結局その車を買うことになり、ついては車検取得や整備などをおこなった上での納車ということに決まったといいます。
売買契約をしたのが8月に入ってすぐでしたが、実はそのショップというのが上記のエリアにある店だったのです。

「車が来たらすぐに見せに行きます!」ということで、人ごとながらマロニエ君も楽しみにしていたのですが、ずいぶん日にちも経つのに一向に納車の気配がありません。
どうなったのか聞いてみると、8月も下旬になっているというのに「まだ作業に入れていない」という回答で、当初の話ではお盆過ぎぐらいに納車ということだったのが、かなり話が違ってきているようでした。

しかも、約束よりも遅れるのであればその旨連絡があってしかるべきですが、それは一切なしで、こちらから電話しないかぎり向こうから連絡してくることはないばかりか、担当者の話し口調も、始めのころの快活さが明らかになくなり、ずいぶん気のないしゃべり方に変化していることも甚だ不愉快とのこと、尤もな話です。
この時点で8月末までの納車は不可能となり、9月へずれ込むことが確定的になりますが、それで終わりではありませんでした。

問い合わせをする度に、延期に次ぐ延期を「すみません」のひとこともなく平然と言い渡されるのだそうで、ついには9月中の納車さえも危ういことがわかってきました。
はじめは余裕の構えを見せていた知人も、もう完全に憤慨の様子です。

ただ、この知人にも甘さというべき点があり、代金をどうせ払うのだからということで、店から言われるままに契約時に全額支払ってしまったらしいことです。しかも驚いたことには一切の値引きもなく、整備関係の費用から、福岡への陸送費まで、なんらのサービスもないまま整備費用等を一円単位で加算請求してくるという、普通ではあまり考えられない高飛車な条件です。
それらを素直に受け入れたことがますます店側を傲慢にしてしまったように思われました。
従って、契約内容の甘さや店特有の問題がないとは言い切れませんが、マロニエ君はこのエリア独特のメンタルも大きいと直感しました。

中古車と言っても絶対額としては大金ですし、商売はお客さんあってのもの。信頼や他店との比較もあるのだから、そこまで一方的な都合や態度で押し切って、せっかく買ってくれた相手をそうまで不愉快にさせる合理的な理由が見つかりません。
もちろんお店の体質や担当者個人の性格などもあることは否定はしませんが、大きく見れば、ようは文化が違うのだとマロニエ君は思うのです。

マロニエ君も以前、認定中古車というのを全国ディーラー網で探したことがありますが、さすがにディーラーというだけあってどこも悪くない対応だったけれど、「このエリア」の2店だけはやはり様子が違っていたことを鮮明に思い出します。
意味もなく上から目線を漂わせて感じは悪いし、その中の一店に至っては主任とやらが自分の自慢を展開、まるで客と張り合っているかのような微妙な態度に呆れ、車は気に入っていたけれどあと一歩というところで破談にしたことがありました。

人によっては、それはマロニエ君の「偏見」であって、たまたま。みんながみんなではない筈、罪なき人までエリアで十把一絡げに見るのはいかがなものか…といった反論をされると思いますが、これ以外にも根拠となるネタはいくつもあるし、世の中、そういくつも偶然が重なるものではなく、やはりそこには地域性や特殊性みたいなものがあるのは事実だと思います。

日本は外国と比較すれば信頼性が高いというのは事実だと思いますが、それでもやっぱり地域固有のクセみたいなものはあるわけで、そこは注意が必要だと思います。
知人の車は、さすがにもうそろそろとは思うけれど、いまだに納車されてはおらず、どうなることやら…。