危険運転の変質

最近の車の運転マナーというか動きを見ていると、一部のドライバーの身勝手さからくる、予測のできないような動きがかなり増えているように思えてなりません。

全体としては、速度が下がっているようにも見受けられるためか、うわべは穏やかな交通環境といった感じがしないこともなく、それも敢えて否定はしないけれど、そうとばかりは言い切れない面が潜んでいることも確かです。
その一見穏やかな流れの中に、実はアッと驚くような(場合によっては肝を冷やすような)予想の付かない動きをする車が少ないとは言えず、運転そのものの緊張の度合いは以前より高くなっているというのが個人的な印象です。

昔は、飛ばす人は目に見えて飛ばしていたし、速度的な観点から言えば無謀運転も多かったけれど、そういう人たちはそれなりにある種のわかりやすさみたいなものとか、言い方はおかしいかもしれないけれど、その無謀な中にも一定の秩序というか、暗黙のルールみたいなものがありました。
したがって個人的にはそれほど怖くはなかったし、とりあえずそこに近づかないようにしておけばそれで安心できた場合も多々ありました。

ところが今は、一見おとなしそうな流れに見えるのに、まさかと思うような動きをする車が結構多いという点においては、一瞬も気を緩めることができません。
ゼッタイ入ってこないだろうというタイミングでも、ヒュッと入ってきたりで、ウソー!と感じにハンドルを切ったり急ブレーキいうこともよくあります。
もしものことを考えるならドライブレコーダーという証拠記録装置を装着する必要もでてきたと、だんだん我が身の問題としても理解できるようになってきました。

昔はどちらかというと平均的に運転技術も今に比べたら高かったし、自然発生的にルールや互いの呼吸があり、その中で生息できるドライバーだけが晴れてハンドルを握っていたような印象があります。もちろん車とは本来そんな一部の人達だけにあるものではなく、多くの人がハンドルを握りつつ安全に運用すべきものなので、昔の流儀が正しかったなどというつもりは毛頭ありません。

ただ、最近怖いのは、危険察知能力が欠落しているとしか思えないような自己本位の運転が非常に多く、無謀運転の質そのものが変わってきたこと。
路上全体の円滑な交通の流れを乱してもまったく平気というか、いわゆる空気の読めないドライバーが激増してるのは久しいし、昔ならまずあり得ない車間やタイミングで平然と割り込んできたりする車は本当に増えました。

無茶をして、他のドライバーに恐怖を与えたり、後続のドライバーの注意および危険回避に依存したような動きをしておいて、あとからハザードをちょっと点滅させておけば、なにをしても許されると思っているフシのあるドライバーがあまりに多くなりました。

マロニエ君は夜間に運転することが多いのですが、必ずと言っていいほど無灯火の車を何台も目にするし、直進するこちらの目の前にいきなりふらふらと出てきて、そのまま3車線ぐらい斜めに進んで、なにがなんでも目前の右折車線に進むといったような、まったくこちらの予想のつかない極めて深刻ともいうべき危険運転のあれこれをされるのは、本当に迷惑です。
あまりにこういうドライバーが多くて、昔よりも運転するにあたっては、スピードは落ちていても神経が疲れるというのが正直なところです。

さらには闇に紛れたギャングの如き自転車にも注意を払わなくてはいけないし、あれもこれもと一瞬も気が抜けません。
もちろんハンドルを握るにあたっては「一瞬も気が抜けない」のは当然のことであるのは言うまでもないけれど、最近のそれはどこからどんな変化球が飛んで来るかわからないといったピリピリ感であるのは間違いありません。

機械の性能が上がったぶん、人間の感覚が鈍っているのは間違いないようです。