ある日突然

つい先日のこと。
固定電話(しかも事業用)が突然つながらないみたいですとのことで、あわてて受話器をとってみるも、ツーツーツーという話中のような信号音がするだけで、ダイヤルを押しても発信もなにもできません。
携帯からその番号にかけても、まったく音がしないか、「繋がりません」のアナウンスが出るかのいずれかで、要するに電話がまったく使えない状態になっていることがわかりました。

はじめは電話機そのものの故障かと思い、ACアダプターの電源を抜いたり入れたり、通信のほうの線を外しては差し込んでみるなど、いろいろ試みましたがまったく変化ナシ。
もしやと思って、もうひとつの電話も確かめてみるとまったく同じ状態で、これはもはや電話機の問題ではないことは明らかでした。

事業用の電話はいわばビジネスの命綱のようなものなので、これはただごとではないのです。

そこですぐにNTTに連絡しようと、ネットで電話番号を調べてみますが、今や時代が違います。
ご多分にもれず、近ごろはなかなか電話番号が記載されておらず、一刻を争う緊急時にサイトの中をイライラしながら探してまわらなくてはなりません。
現代はどこもだいたいこのパターンで、ようやく電話番号らしきものが見つかってダイヤルしても、まずは決まりきったバカバカしいアナウンスを延々と聞かされて、その後ようやく指示に従って該当する番号を押したり♯を押したりして、やっと繋がるかと思ったら「ただいま、電話が大変込み合っております。恐れ入りますがこのままお待ちいただくか、しばらく経ってからおかけ直し…」となって、こんなときに湧き上がる嫌悪感は並大抵のものではありません。

しかし、固定電話が繋がらないとあっては、仕事に差し支えるためなにがなんでも復帰させなくてはならず、ガマンして待ち続けました。10分ほど待ったころ、ヘンな音楽はやっと呼び出し音に変わり、続いてようやく人間の声が聞こえました。
ここまでくるだけでも大変です。

すぐに状況を説明すると、「恐れ入りますが、故障係のほうにおかけなおし下さい」となり、その番号を聞いてかけると、またアナウンスが始まり「なお、この会話は品質向上のため録音させていただいております」から聞かされ、さらにアナウンスは延々と続きました。
あげく、やっとわかったことは、90秒以内に故障の内容と連絡先を、練習もなしに声で喋って、一旦電話を切り、先方から連絡があるまで待たされるというシステムで、まずこれに仰天しました。

しかも、「折り返しのお電話までには2時間以上お待ちいただくこともあります」といったのには、ほとんど頭がクラクラしそうになりました。
そもそも、電話が故障して使えないのに、こういうシステムをとるとはいかなることか。
NTTなのに故障ようにも、一向に人と話ができない。
たしかに現代人はたいてい携帯電話を持っているので、最終的に連絡はつくかもしれませんが、どうにも納得できません。

1時間ほど待っても連絡はなく、これが家庭用電話ならまだしも、仕事にも差し支えがでているので、また別の0120を探しだして、同じアナウンスを聞いてやっとオペレーターにたどり着き、状況を説明して「大至急連絡をとってほしい」と頼みました。
ようやくこちらの熱意が伝わったのか、それからほどなくして修理の担当者から連絡はありましたが、曰く、いま最も早い訪問でも明後日になりますというのには、ひっくり返りそうになりました。

それでは困るという事情を必至に説明した結果、さらに1時間後についに修理担当の人がやって来ました。
それから30分ほどあちこちを調べた結果、外部の線が老朽化して接触が悪くなっているということで、直ちに応急処置となりました。
老朽化した線は建物外、すなわちNTTの管理下にある部分で、完全にこちらの責任外で発生したトラブルでした。

ともかくその日のうちに電話はなんとか復旧しましたが、こんなことってあるんですね。