朝ドラのピアノが

NHKの連続テレビ小説は3月で『わろてんか』が終わり、4月から『半分、青い。』が始まりました。

『わろてんか』が吉本興業の創業者を描く、明治から先の大戦後までの物語であったのに対して、『半分、青い。』はいったいどんな話なのかよくわからないまま見ていますが、いまだによくつかめない状態です。
もちろんネットで調べれば、物語の概略くらいはわかるのでしょうが、そこまでして調べようという気もないから、ただ録画したものをときどきダラダラと見ているにすぎません。

放送時間に直接は見られないので、音楽番組と同様、たいてい深夜に録画したものを視ることになりますが、あまりテレビを見ないこともあっていつも数週間ぶんたまっていて常に周回遅れが常態化しており、4月ももう終わりだというのに今回もようやく第二週に入ったあたり。

新しいシリーズの第一週というのは、いつもだいたい面白くなく、主人公も子役がつとめます。
お約束のように、主役の女の子は現実ではあり得ないほど、無制限に明るくて元気なキャラクター。
それでいて普通とはちょっと違った天然な面もありますよというおなじみの設定で、これは半ば連続テレビ小説の条件なのかもしれません。

主人公はこれから人生をともにするであろう男の子の友人と、同じ日に同じ病院で生まれた、誕生したその日からはじまった特別な幼なじみということのようですが、その女の子の家は庶民的な食堂、対する男の子の家はちょっとハイカラな写真館で、お母さんは家でしずしずとピアノを弾いているような人です。

さて、驚いたことに、その写真館の家の住居に置かれているグランドピアノはハンブルク・スタインウェイで、はっきりはわからなかったものの、たぶんB型あたりだろうと思われました。
その男の子もピアノが弾けるということで、何度かピアノがある部屋のシーンが出てきましたが、さすがにロゴマークこそ写ることはないものの、まぎれもないスタインウェイでした。
それも新しめのピカピカしたピアノ。

ヒロインの女の子に懇願されて、その子役の男の子がしぶしぶ弾いて聞かせるシーンがありましたが、子供らしい童謡か何かが、みょうに整ったスタインウェイサウンドで響いてくるのが、なんか笑えました。

おそらく1980年代の時代設定で、むろん家庭にスタインウェイがあっても不思議とはいわないけれど、でもやっぱりNHKの朝の連続テレビ小説に出てくる、商店街の中にある友人の家という設定なので、いきなりスタインウェイというのは、ちょっとオオッ?という感じは否めませんでした。

この『半分、青い。』はどこ(東京か大阪か)のNHKが作っているのか知りませんが、さぞやNHK内にはスタインウェイがごろごろしていて、ピアノ=スタインウェイだから、却ってヤマハやカワイを準備するほうが難しいんだろうなぁ…と思ってしまいました。