ピアノネタではないのですが、メカがまるでダメのマロニエ君にとっては極めて異例なことながら、CDプレーヤーの修理のようなことをやってみたので、ちょっとそのお話。
某所で使っているヤマハのアンプ内蔵式CDコンポ。
購入して15年以上になるもので、このところCDの読み込みが不安定になり、ついには「動かなくなりました」ということ。
試してみると、何度やってもウンウン言いながらディスクを認識せず、あきらかに故障でした。
決して高級品ではないけれど、中ぐらいのものだったので、同等品に買い換えるにはそれなりの出費となるし(すでにヤマハはもうこの手は作っていないらしい)、個人的に使うものならあれこれの代替案もあるものの、これを使っている場所はそうもいかないので、どうしてもこのような普通のものでないと困ります。
まずはメーカーに修理依頼することを考えましたが、サービス受付の電話番号をしらべたり、修理依頼にも直ぐにじは人と話ができない疲れる電話システムや都合のすり合わせなど、要するに手間と時間のかか手順が待っているし、おまけに結果如何にかかわらず出張費用などが発生したり、物を送らないといけなかったり、それらを考えただけでもウンザリ。
しかも年代物となるとさんざん待たされたあげく「パーツがなく修理できません」とか、もしくは新品に買い換えたほうがいいような高額な修理見積もりとなる可能性もあり、それを思うと気が進みませんでした。
ならばメーカーではなく、オーディオ専門店に修理依頼してはどうかと思いネットで調べてみると、いくつか受け付けてくれそうなショップはあるにはあるものの、これがメーカー以上に怪しげな雰囲気。
とりわけ目についたのは、専門店ということで、やたら高そうな機器の写真ばかりがズラリだったり。
ダメモトで一件だけ電話してみると、いかにも専門家ぶったズケズケした話し方で、たたみかけるように「まず、型番を教えてください」と言った具合で、しかも修理代金は1万円からのスタートで、故障内容によってだいたい数万になることもあります!と、やや圧迫的な響きがあって、予めそれぐらいかかる覚悟をしておくように…といわんばかりの態度でした。
その話し方だけでも御免被りたいし、最低料金で済むことはまずないだろうと思われ、それでも修理依頼する気にはなれませんでした。
その上、「これってクリーナー用のディスクは試されましたぁ?」「いいえ」「まず、それやってくだい!それで治ることもありますから、まずそれやってからですね」と、やることをやなさい。それでダメだった時に修理のことを考えるのが順序だよと言わんばかりで、まったく先方のペースで…ここはボツ。
そこでアッと思いついたのがYouTubeで、機器の型番を入れて「CDを読み込まない」という文言で検索すると、さまざまな修理の様子がアップされており、しかもわかったことは、多くの場合、CD情報を読み込むピックアップレンズというのを、ただ磨くだけで回復するというケースが多数ありました。
それでダメな場合には、レンズそのものを交換するなど、次の手段になるようでした。
というわけで、何度か動画を見て、慣れないドライバーを引っ張りだして、おそるおそる分解してみることに。
カバーが外れると、中は思ったより空洞で、底にある基盤はホコリだらけ。
問題のピックアップレンズには上部のカバーなどがじゃまで、なかなかそこへ到達できないし、それ以上分解したら元に戻す自信がないので、カバーの横から綿棒を突っ込んでちょこちょこ動かしていたら、何度かやっているうち薄茶色のホコリの塊のようなものが先端に引っかかってきてびっくり。
さらにレンズのあたりを繰り返し綿棒で動かしていると、やがて綿棒に汚れがつかないようになり、そこで試しに電源を入れてCDを挿入してみると、これまでの不調はウソみたいにスムーズになり、やすらかにディスクを認識、何事もなかったように再生するようになりました。
これだけで修理完了とはさすがに思いませんが、さしあたり自分でできるのはこれぐらいと思って、バラしたパーツを注意深く元に戻してスピーカーにつなぐと、問題なくディスクは再生され、左右のスピーカーから当たり前に音が出て「ヤッター!」となりました。
最低料金1万円どころか、使ったのはドライバーと綿棒の4〜5本だけ。
これまでなら、なんとなく寿命だろうと考えて買い替えになったところですが、故障の原因は、さしあたり長年の使用でたまったレンズの汚れだけで、それさえ取り除けばまだしばらくは使えそうでした。
こんな微々たることで危うく新しいセットを購入するなど冗談じゃないし、こんな些細な事から世の中の裏側を見てしまったようです。
まさにYouTubeサマサマでした。