YouTubeサマサマ-2

「飛行機事故は連続する」といったジンクスがあようで、そんな大げさなものじゃないけれど、物事って往々にしてそういうきらいがあるようです。

CDの復活から、わずか2日後のこと。
いつも使っている乾燥機から、ギュルギュルという聞き慣れない、あきらかに普通ではない音が出はじめるや、安全装置があるのか、ほどなくストンと自動停止してしまいました。
洗濯物の入れ過ぎかと思い半分ほどの量に減らしてもダメ、最後はカラにしても症状はまったく変わらず、すぐに自動停止してしまいます。
何事か?と、いろいろ見ていると乾燥機の下部に貼られた注意書きに「火災の恐れが…」という文言が目に入り、ビビってそれ以上動かすのをやめました。

乾燥機はただでさえ高温になるので、万一を考えて、留守中など人がいないときは回さないようにしています。
それにしても、乾燥機が使えないとなると、我が家では洗濯物を外に干す習慣がないので「これは困ったことになったな…」と思いました。

YouTubeのおかげでCD修理が自分でできたことに喜んでいたタイミングでもあり、同様に乾燥機の型番を入れて検索すると、やはり該当の修理動画というのがあり、ありがたいことだと思いました。
背面パネルというのがあって、それを外すと中のファンがむきだしになるようで、その中央にあるプラスチックワッシャーの破断と、ファンを駆動する5mm径丸ベルトの交換が主な修理箇所というのがわかり、Amazonとヤフオクでさっそく注文。
さらには「必ず必要になります」というアドバイスに従いホームセンターで機械用グリスというのを買って来ました。

パーツの到着までに数日かかりましたが、その間、洗濯機にある「乾燥機能」で乗り切るしかないようですが、実はこれまで一度も使ったことがなくて初めて使いましたが、これがもう最悪のシロモノでした。
乾くことは乾くけど時間はかかるし、乾燥機のようにクルクル回さないのか、シワくちゃのままで靴下やタオル等ならまだしも、それ以外のものでは使えたものじゃなく、乾燥機のふっくら仕上げとは雲泥の差です。
だいたい、多機能というのはろくなことはないし、洗濯と乾燥というの「濡らす」と「乾かす」はまるで逆で、これを一台で済ませようというのがどだい無理だと思いますし、機械通に言わせると、機能はできるだけシンプルにしたほうが性能もよく故障も少なく、万一の場合も修理がしやすい。多機能タイプはひとつひとつの機能は中途半端で妥協的、おまけに機能の一つでも壊れると修理や買い替えの対象となって、一見便利なようで実はいいことはないと言います。

ようやく部品が揃い、スタンドから乾燥機本体を二人がかりで床におろして作業を始めますが、数年分のホコリ等を除去すべく、ハンディクリーナーを横にスタンバイさせての作業です。
ずいぶんな数のネジを片っ端から緩めてようやく背面パネルを本体から取り外し、その5mm径丸ベルトをプーリーから外すと、新品にくらべてずいぶん伸びており、これがトラブルの原因だったようです。
プラスチックワッシャーは対策されたのか、金属製に変わっており問題ないようでした。

また、このベルトが回転中、他に干渉しないよう当たる分厚いフェルトも、ピアノの弦溝のように擦り減って凹んでおり、当たる場所を変えて付け直すなどして、いよいよ電源を入れて試運転してみると、問題なく動き出しました。
仕上げに掃除&グリスアップなどを可能な限りやって、背面パネルを取り付けて再度試運転したら、問題のギュルギュル音は消え去って、まったく正常に動き出しました。

こちらは、ベルトやグリスなど合計でも2000円未満。
この歳まで機械ものの修理などやったことがなかったので、立て続けに2つの修理を終えたことは自分としては感無量で、おもわず「為せば成る為さねばならぬ何事も…」という言葉が何度も去来しました。

このふたつを、普通に買い替えていたら、どう安く見積もっても10万円を軽くオーバーする出費となっていたのは間違いなく、修理依頼したとしても、煩わしい上に、買い替えと悩むぐらいの修理代となったでしょうから、どの角度から見てもえらく得をした気分でした。
のみならず、これまで壊れたということでしぶしぶ買い換えていた家電類は、今回のように、ほとんどの部分はまだ充分使える状態であるにもかかわらず、ほんの微々たる一部の不具合によって丸ごと打ち捨てられていたのかと思うと、いかに現代が経済中心の社会とはいえ、無駄にもほどがあるということを身をもって感じました。

これを書きながら、ハッともう一つ修理していたことを思い出しました。
2年ほど前、テレビのBDレコーダーが使えなくなり新品に買い換えたものの、症状は、背後にある小さな扇風機みたいなものからジージーと異音がしはじめて、やがて録画も再生もできなくなったので、これが原因か?とネットで見てみたら、その小さな「扇風機」らしきものが補修用としてヤフオクにズラリと並んでおり、平均して2000円ほどでした。
新しいBDレコーダーは買ったことでもあり、ダメモトでこのパーツを買って、やはり分解してこれを付け替えたところウソのように元通りになり、レコーダーが丸々一台浮いた形になったので、こちらは自室で使うようになりました。
故障によって録り溜めしていた多くの番組が、一気に失われて悲痛な気分になっていましたが、これもすべて蘇りました。
けっきょく一台増えたことになり、今も元気に動いてくれています。

こういうことを経験してみると、資源を無駄にしてでもモノが売れてほしいのか、叫ばれる地球環境が大事なのか、もうわけがわかりません。
みなさんも家電が故障したら、まずはYouTubeで修理方法を見てみることをおすすめします。