唐突ですが、住まいの窓ガラスの掃除は、なにしろ面倒くいから滅多なことではやらず、恥を忍んで告白すると1年以上ほったらかしになってしまうようなことも常態化しています。
毎日の生活の中で目にしていると、すっかり目に馴染んでほとんど無反応になるものがあるけれど、ふと冷静な目で見てしまうる瞬間があると、その汚れにびっくりしたり…。
外窓は、雨粒はもちろん台風の時に付着したと思われる小さな泥粒などが下部にこびりつき、内側はエアコンはじめホコリの堆積、さらに冬場は加湿器のせいでうっすらと白い膜のようなものが覆っていたりします。
しかし、いつも薄いカーテンを引いているので、おかげでますます気にしなくて済むということもあったり。
そのうちやらなくてはと意識するようになっても重い腰はなかなか上がらず、あれやこれやのせいにして実行は延期に次ぐ延期の繰り返しだったり。着手するまでが大変です。
鏡ぐらいのサイズならともかく、家の窓ともなると面積も広いし、何度も雑巾を洗ったり絞ったり、かつガラスは裏表があるから仕事量も倍で、かなりの重労働となるのでますます敬遠しがち。
それでもなんとか見て見ぬふりできているうちはいいけれど、今年になってからさすがにこれ以上はマズいという一線を超えて、一気に危機感が募りました。
なんでも業者に頼んで、お安くもない料金をすんなり出せるような方は別ですが、自分でもできることをわざわざ頼むのももったないし、だいいち家の中へ半日なり業者が出入りするのも、正直言って気の張る思いをするからできるだけ避けたいということになると、その両方をクリアするには「自分でやる」以外にありません。
そこで思いついたことをやってみた結果、想像以上に簡単で嬉しい発見があったので、ちょっとそのお話を。
IKEAに行くと、ガラス掃除用のT字型の器具で先にゴムの付いたワイパーみたいなものが驚くような低価格で山積みされています。
よくビルの清掃員などがガラス掃除に使っているものを、一般人向けに小型にしたようなアイテムで、これを使ってみることを思い立ちました。
洗剤を希釈した液をスプレーでシュッシュとやって、その手動ワイパーで拭き取るという単純なものですが、予想に反してなかなか思うようにはいきません。
プロが手慣れた手つきであっという間に汚れを落としていくのを感心して見た覚えがありますが、自分でワイパーを動かしたあとには両側に必ず液体の筋が残り、それを別方向から取ろうとすると、その方向へ別の筋が残り、そうこうするうちに斑に乾き始めるなど、仕上がりも一向に思わしくなく、落ちたはずの汚れはヘンな跡やムラになって残るなど布で拭くほうがまだいいようなものでした。
こんなことをやってもダメだと思い、一旦中止に。
その後、考えたことは、クルマの仲間から教わったものですが、一点の曇りも好ましくないクルマのガラス拭きには下手な専用洗剤より精製水を使ったほうが効果的という、あのやり方でした。
洗車の手法を応用するなら、間髪を入れずにメリヤスのシャツなどで補助的に拭き足すことも効果的では?と思いつきました。
すぐに100円ショップで新しいスプレーボトルを買って精製水を入れ、それをガラス面にシュッシュッとたっぷり(下にダラダラ流れだすほど)吹き付けました。
一息おいてワイパーで上から下に向かってザーッと拭き取りをし、すかさずメリヤス地に持ち替えて軽く拭いてみると、なんとこれだけでかなり綺麗になることがわかりました。ムラもほとんどなく、パッと見には十分満足というレベルの仕上がり。
また、精製水は洗剤でもないのでケミカル品特有の膜や拭きムラなどもなく、これだと望外の少ない労力で、すくなくともみっともなくない程度にガラスが綺麗になることがわかり、ヨーシ!というわけで、これで気になるところを次々に掃除していきました。良い結果が出始めると、俄に嬉しくなって、張り合いも出るというものです。
遠目であれば、さっきまで惨めにくすんでいたガラスは、ガラスを外したの?というぐらいビシッと綺麗になり、その労力/コストに対する目覚ましい結果には感動すら覚えました。
現在のところ広いガラス面をこれ以上ラクに、効果的に掃除する方法はちょっと思いつきません。
下処理などもなく、汚れたガラス面にいきなりスプレーすればいいので短時間で済むし、道具といえば、スプレーボトル入りの精製水、窓拭き用ワイパー、着古したメリヤスシャツ、位置が高いなら脚立、さらに窓枠の汚れ(特に下部)を拭き取るためのウェットティッシュ、とせいぜいこれぐらいです。
精製水は薬局に行けば大体100円ちょっとで500mlのものが売っており、2〜3個買っておけば安心ですが、実際は1本でも相当の面積がカバーできます。
この精製水はガラスはもちろん、食器棚でも家電でも、ウェスを固く絞ってシュッシュと精製水を吹き付ければ、なんでも気軽にきれいになります。
この手軽さを覚えたら、目的ごとに分かれた各種洗剤など、よほどのことでないと使う気にならないこの頃です。