草むしり

ゴールデンウイークは取り立てて行くところもなく、もっぱら庭の草取りやら掃除やらで過ごしました。

自慢じゃありませんが、私は徹底したインドア派でおまけに怠け者ときているので、庭の草取りなど年に数えるほどしかやらないので、そのぶん毎回大変です。
いつも視野に入っているはずなのに、無関心と逃避意識のなせる技か、そのあたりは自分でもわからないけれど、要するに日頃はほとんど目に入っておらず、なにかの拍子で見てしまった時には愕然とし、雑草の猛烈な繁殖力にただもう戦慄するばかり。1

とくにこのところは春の陽気となって、雑草の伸び方にもぐんと勢いがついたのか、かなりとんでもないことになっていました。
折からの大型連休到来となり、この機を逃してはかなり恐ろしいことになるという恐怖が湧き上がり、ついには腹をくくって「草むしり」に着手することになりました。
大型バケツ(20Lのペール缶)をぶらさげて、庭の端から格闘がの開始です。
さすがに素手ではできないので軍手を使うことになりますが、それだけでは不十分というのは経験済みなので、まずビニールの作業用手袋をつけ、その上から軍手というように二重にすると、いささか暑苦しいけれどこれで爪の間などに泥が入ることは一切なく、庭仕事などにはオススメです。

作業量/時間からして、ただ膝を折ってかがんだスタイルで済むことではないので、野外作業用にしているお風呂の椅子を引っぱりだしていざ開始…したのはいいけれど、いままでサボっていたぶんちょっとやそっとで終わるようなもの甘いものではありませんでした。
いよいよ始めてみれば結構夢中になり、とくに草を土から引き抜く際の、あの独特な抵抗感を伴う感触には妙な心地よさを感じながら…。
30分ぐらいはなんでもないものの、それ以上になると腰には相当の負担が溜まって固まってしまうのか、バケツの中に溜まった雑草や落ち葉を捨てに行こうとすると、立ち上がろうにもにわかには身体がまっすぐできないほど腰の痛みを伴います。

これを数回繰り返すと、だんだんその痛みも強くなってくるので、2〜3回で止めるようにしており、これを数日にわたって繰り返しました。

さらに自分でも自覚しているところですが、私はヘンなところにヘンなこだわりをもつタイプだから、普段は庭などまったく見向きもせずガーデニングなどの趣味もゼロであるのに、いったん着手すると雑な作業というのがいやで、庭の隅から丁寧に取っていかなくては気が済まないものだから、それもあってひどく時間がかかるのです。

普段は放っているくせに何を言っているんだ!という感じですが、そうしないと気が済みません。
さらに、落ち葉の処理などもあり、掃除ごとのキモは「隅っこ」だと思っているので、隅っこをそこそこにしてお茶を濁すことができず、地面に這いつくばって奥へ手を突っ込んだりしながら、かなり徹底的にやる癖があります。
家の掃除でも、洗車でも、窓拭きでもそうですが、「隅っこ」までしっかり作業が行き届いているかどうかで仕上がりがまったく違います。隅がきれいだとくっきり感がでるんでしょう。

「四角な部屋を丸く掃く」という言葉がありますが、掃除で最も肝心なのはゴミや埃のたまりやすい隅っこなので、ここが疎かだとその効果も半減するので、それだけは許せないのです
普段サボりまくっているくせに勝手なものです。
そこまでせずとも、その半分か3分の1でもいいからもう少し頻繁にやればいいものを、それができない自分が我ながら愚かしく、ずいぶんとバランスを欠いた性分なようです。

こんな調子で腰の痛みと相談しながらの作業となるので、決して広大な庭でもないけれど、どうしても数日がかります。
身体にも結構負担がかかるようで、普段とあまりに違った身体の使い方をするせいか、はじめは右手指が硬直的に痛くなり、そのうち肩が生活に影響が出るほど痛くなり夜には湿布薬を貼ることになり、あと少し作業は残っているけれど一区切りをつける判断となりました。
残りは後日ということになり、連休中に完了しなかったのは悔しいけれど、それでも一定の満足というか効果は得られました。

草むしりを含めて掃除ごとのいいところは、手をつくしたぶん明確な結果が出ることで、投じた労働に対して目に見える好ましい結果が出るというのはかなり爽快で喜びに包まれます。
何かで読んだことがありますが、下手な運動をするより掃除のほうが身体を無理なくまんべんなく使うし、やればやるだけきれいになるという精神的な嬉しさを伴い、そこが心身両面にとって好ましいことだというのですが、それは本当にそうだなぁと思います。

というわけで一区切りをつけたところ、翌日からは「それでは」とばかりに雨が降り出し、いずれにしろ作業は続けられなくなりました。
その雨は勢いが強く、しかもこのブログを書いている時点でもう3日も休みなく続いて尚やむ気配はなく、ここにも近年の異常気象を思わせる不気味さがあり、まるで家も街も水浸しになってしまうようです。
せっかくの連休というのに、最終日までこのうらめしい雨のせいで台無しになった方も大勢いらっしゃることでしょう。