早いもので今年も除湿機が必要な季節になりました。
冬の暖房時には加湿器、梅雨以降は除湿機と、水を「注ぎ足すか」「捨てるか」の作業を一年の大半において日課としてやらされるのは日本のような気候に住み暮らす者にとって、湿度管理する上では避けられない宿命みたいなもの。
高級な機器をお使いの方もいらっしゃることでしょうから、そのへんのことはわかりませんが、私はできるだけ安価で必要な機能さえ得られればそれでいいという派なので、我が家にあるものの大半は単純機能のものです。
加湿器は故障も少なく、なによりお安いので気楽ですが、除湿機の故障にはこれまでどれだけ悩まされてきたかと思います。
前シーズンまで何の問題もなく使えていたものが、次の季節、物置から引っぱりだしてスイッチをONしたはいいけれど何時間たってもタンクに全く水が貯まらないということは一度や二度ではありません。
昔は主にコロナ(メーカー)を使っていましたが、何度も同様のことが起き、懲りて別メーカーのものにすべく、ひとつはダイキン、もう一つはシャープに買い換えたのが数年前でした。
ところがそのいずれにも同様のことが起ったのは驚きでした。
ダイキンは私にしては訳あって高級機だったにもかかわらずで、驚きつつ修理依頼をすると、すぐに宅急便で回収されて連絡待ちということになりましたが、数日後にかかってきた電話によれば「異常が確認でき、今回は新型に交換させていただきます」という事になりました。
保証期間の1年は過ぎていましたが無償対応となり、さすがは名の通ったブランドということも併せて感じさせるものがありました。
ただ、その点はコロナも同様で、これまでに修理に出した結果、新品交換という対処をされたことが何度かありました。
しかるに今回自室で使っていたものはシャープの最も売れ筋のモデルだったのですが、何の問題もなく4年ほど使っていたのに、今季使用開始したところ、機械は動いて風は出ているのに、肝心の除湿機能が働かずタンク内は何時間たってもカラカラのままで、一滴の水も落ちてきません。
いろいろと操作を変えたり、説明書を見返したり、コンセントを抜き差しするなど、数日間というもの自分でできる範囲のことは考えられる限りやったにもかかわらず、タンクの中は無情にも乾ききっており情けないと言ったらありません。
しかたなくカスタマーセンターに電話したら、応対に出てきた女性からひと通りのことを聞かれ「それでは見せて頂く以外にありません」ということで、その際「修理にだいたい10000円〜15000円程度、引取に5500円、熱交換器などの故障になりますと5万円以上になることもありますが、よろしいでしょうか?」と、演技でも困っているユーザーに寄り添うような気配はゼロ、至って事務的でサバサバ感が目立つ言い方で他の二社とはずいぶん違うものでした。
そんな金額、よろしいわけがない!
この除湿機自体が、もともと2万円ちょっとぐらいのものなのに、その修理費用のあらましを聞かされただけでバカバカしく、まして5万円以上になることもあるという脅しのような念押しをしてくるあたり、ユーザーに対する礼節のかけらもないもの。
「ということは、現実的には修理せずに新品に買い換えなさい、ということですね」と皮肉をいうと、あっさり「そうですねぇ…」とスパッと言われたのは不快のダメ押しでした。
当然ながら、このメーカーに対するイメージが一気に低下しました。
それにしても、除湿機の故障というのはいつも同じで、必要な季節になって半年ぶりぐらいに使い始めた時、なぜか機能を失っている(故障状態になっている)というパターンなので、使わない時間が長いと機械的になにか問題が起こるのか?と思い、そのあたりも質問してみましたが「いえ、とくにありません」というAIみたいな言葉が返ってくるばかりでした。
除湿機ナシでは快適性の面でも、ピアノの健康管理のためにも済まされないので、結局は新たに購入する以外になく、安さで定評のホームセンターに行ったところ、SKジャパンという名のピアノや基礎化粧品を連想するようなメーカーで強力&大容量を謳った製品があり、しかも価格は除湿力半分の他社製品並、急ぎネットで調べたところ、日本のメーカー(?)で生産国は中国、口コミなども少ないけれど好意的なものがあり、思い切ってそれを購入しました。
品質やアフターの心配が頭をよぎったけれど、いざとなったら今回のように高額な修理代を告げられて買い替えさせられるのだから、有名メーカーの安心感なんぞなんの役にも立たないし、急いで欲しいこともあってそれを購入しました。
強力&大容量というだけあってやや大型ですが、これまで取り切れていなかった湿度がスイスイと下がり、とりあえず一安心ということろです。
それと思いがけず気に入った点は、デザインが望外に好ましい点です。
大半の日本メーカーの家電というのは、各社申し合わせたように似たり寄ったりのデザインで悪い意味で日本的、それもいまだに昭和を引きずったようなダサくてカッコ悪いものばかりで、やたら意味のない丸みをつけたり沈鬱な色使いなど、そのビジュアルが少しも良くならないのは不思議というほかありません。
唯一の例外は、もはやデザインの余地のなくなった液晶テレビぐらいなもので、他の製品はどんなにモダンなインテリアだろうが、それひとつ置いた瞬間に昭和のお茶の間のようになってしまう独特な存在感のものばかりで、家電は日本のデザインの中でもっとも洗練から遮断された分野ではないかと思います。
その点、SKジャパンの除湿機は無駄がなくキッパリしているぶん機能美さえ感じられ、それだけでセンスのいい外国製品のような雰囲気も大いに気に入りました。
外国製といえば、このSKジャパンというメーカー、ネットで簡単には調べたぐらいではその素性はよくわかりません。
製造は中国のようで、どこぞの海外メーカーの日本法人なのか、純粋に日本の新興メーカーなのかもわかりませんが、もうそんなことはどうでもよく、これまでの経験を踏まえれば3〜4年使えればと願うばかりです。