家電修理

今年も早いもので12月となり、すっかり寒くなりました。
我が家の暖房は、エアコンを基本としながら、必要に応じて石油ファンヒーターを補助的に使っています。

ある映画で見たところでは、最新の住宅の中には入念な断熱や空調が設計段階から効率的に組み込まれて、常時快適な温度を保たれているようですが、旧式な我が家ではそうは行きません。

寒さが募るにつれ、保管しておいた石油ファンヒーターを数台出すのですが、その中で着火しない個体がありました。
電気店やホームセンターなど、どこにでも売っている小型の定番モデルなので安いし買い換えればいいのですが、ちかごろの家電類は処分のこともあって、そこらを考えたら入れ替えも結構面倒というのがあります。

それに見た目も現在売られているものと同じで、とくに寿命で使い切ったという感じでもありません。
そこで、以前もブルーレイレコーダーの修理で書いたような気がしますが、YouTubeに型番を入れて検索すると、やっぱり修理動画が「ある」んですね。

しかもその作業の様子はというと、いかにもスイスイ苦も無くやっている感じで、「ハイ、以上です」「これだけで新品のように…」などといわれると、ついやってみようかな?という気にさせられるのです。
で、今回もダメなら買い換えるというつもりで挑戦してみることになり、とある日曜の午後、友人の手を借りながらこの作業に挑みました。

液晶部分のエラーコードは着火不良を意味しているらしく、ヒーターの最も中心にあるバーナーとかいう火が燃えるあたりがススなどで汚れているため安全機能が働き、着火しないようになっているとのこと。
なので、分解して、その部分を布や歯ブラシで汚れを落すなど、要は掃除をすることが修理であるようです。

ただ、人生でこれまで一度もヒーターの分解などやったことはなく、分解するということは、当然あとで元通りに組み上げることでもあり、これが最も苦労しました。
分解するにも順序があって、ここらが慣れない私にとっては簡単じゃありません。
ひとつパネルを外すと内側はネジだらけで、これを外しながら分類するだけでも大変でしたし、鉄のパーツは内側や断面が鋭いので、注意しないとケガをしそうです。
とくに問題のバーナー付近は二重三重に鉄の構造に囲まれており、ここにたどり着くまでが一苦労でした。

作業中、常に横にiPadを置いて、ひとつひとつ見ながらやることでかなり助かりますが、とうてい動画でやっているようにスムーズにはいかないことも今回わかりました。
ついに核心の炉の部分に到達し、布や歯ブラシなどで磨いて周辺のホコリをとるなどして、それ以外にも燃料フィルターの掃除など、バラしたついでにやっておくことが2つほどあるということで、そちらも動画の指示通りに済ませました。

やはり組み上げは分解よりも大変で、なんどもやり直ししたり、合うはずのパネルとネジ穴が合わなかったりで、締めたネジをまた外したりを繰り返しながら、悪戦苦闘の末、ついに元の姿に戻ることができました。
動画はわずか10分ほどのものですが、気がつけば2時間半ぐらいかかっており、途中で「やはり買い換えたほうがいいのでは?」という思いが何度か頭をよぎりましたが、同時にここまできて後にも引けないという意地みたいなものも芽生えて、お陰ですっかり熱中できました。

他のものならすぐに動作確認するところですが、なにしろ火のつく代物だけに、万が一のことを考えて比較的安全な場所に移して電気コードを差し、おそるおそるスイッチを入れます。
ここから着火に至るまでは正直恐怖感があり、もしボンッ!などといったらどうしようかと消火器のことなども考えてドキドキでしたが、やがて着火直前に聞こえるジーという音がして、そこから一息おいて、まったく静かな安定した着火に至ったのは、ほっとすると同時に、張り詰めていた緊張が一気に達成感に変わりました。

もちろん危険を伴うことなので、ヒーターに関しては決してオススメはしませんが、それ以外のことなら家電の修理というのも見よう見まねでやってみるのも楽しいですよ。
それによって買い替えや安くもない修理代のことを考えると、満足気分に浸れます。
こんなことが言えるのもYouTubeの動画があるからこそで、これがなければ私なんぞには決してできないことですが、言い換えるならレシピ動画を見ながら料理をするようなものかもしれません。

やってみてわかったことでは、このヒーターの場合、要は火の周辺の小さなパーツの掃除だけで済んだわけで、そうとも知らず全体を買い換えるというのは極めてナンセンスだと実感させられます。
ただし、メーカーはそのへんで買い換えてもらわなくては困るということでしょうが。

とはいえ、我々はメーカー側ではなく、いち購入者であり使用者なのですから、できるだけムダは抑えて、可能な範囲で効率的でありたいと思います。