今日は知り合いの調律師さんの工房に遊びにいきました。
かねてよりオーバーホール中だったピアノが、ようやく仕上がったという連絡があったので、これを見に行ったわけです。
ピアノはカワイのNo.750という、おそらくは50年以上前のグランドで、ディテールも大量生産とは全く無縁の重厚なデザインです。
サイズはヤマハでいうC7クラスで、大きさといい造りの風格といい、かなりの迫力があります。
ボディこそ磨きのみで、再塗装はされていませんが、それ以外はフレームは上品なゴールドに塗られ、弦やハンマーを始め、ほとんどの消耗パーツは輝くような新品に交換され、当然ながら入念な調整がされています。
弾くと意外にも今のカワイからは想像できない、ドイツ的な渋みのある大人っぽい音色をもったピアノだったのが驚きでした。それも現代のピアノからは決して聴くことの出来ない、佳き時代のふくよかな響きを伴っていました。
タッチにも程良い抵抗とコントロールのしやすさが与えられ、隅々にまで技術者の手の入ったピアノというのは何ともいえない質感と暖かみがあるものですね。
マロニエ君は大変素晴らしい仕上がりと思い素直な感想を伝えましたが、調律師さんご当人はまだまだ不満の由でした。
ぜひプロのピアニストの演奏によってこのピアノを鳴らして欲しいものです。