ふしぎ

近ごろの若い人は、能力の使い方が昔とは根本的に違ってきているのか、いろいろと不思議に感じることがありますが、とりわけ車などの運転に関する動きを見ていると、理解できないことがあまりにも多い気がします。

すでに何度か書いたことでもありますが、周囲の車の流れとはまったく無関係に、おそろしく低速で走行して後続の流れを堰き止めたり、交通の円滑な流れに著しい迷惑をかけても我関せずという、まったく状況認識というか空気の読めない、マナー以前という感じの動きをする若い男性ドライバーなどをしばしば目にします。

昔は、街中でやたら速度を出し、周りに恐怖を与えるような若者が多く、これは危険性も高くもちろん褒められたことではありません。しかし、一種の活力みたいなものはあったわけで、社会的にアウトな事でもまだ理解はできたのですが、一種の反骨や本能の浪費とも思えない、周囲への迷惑などに一切無関心なような、あの異様なノロノロ運転の類はどこからくるのかと思います。
もちろん飛ばしすぎなどの危険運転は道交法によって検挙の対象にもなりますが、ノロノロ運転でいくら周りに迷惑をかけてもまず摘発はされませんから、こっちはいわばやりたい放題です。

以前はまだ運転中に携帯電話でしゃべっているというような場合が多かったのですが、最近目につくのはそれさえなく、ただじっと無表情に前を向いて、堂々と場違いなスピードや動きで淡々と走っている男性ドライバーが目につき、その意図が読み取れません。
そうかと思うと、ムササビのような恐ろしげな動きで勝手放題に駆け回る危険きわまりない自転車などもやはり若い人に多く、なにがどうなっているのやらさっぱりです。

先日も、ちょっと驚くような光景を目にしました。
友人と夜出かけた折、マクドナルドでちょっとお茶でもしようということになりましたが、郊外の店で日曜の夜ということもあり、お客さんはほとんどなく広い駐車場はガラガラでした。

店を出て車に戻ろうとすると、ん?という光景を目にしました。
一台の車がマロニエ君の車の隣に駐車し終えたばかりで、ちょうど中の人が降りてくるというタイミングでした。ところがこの両車の間は30cmあるかないかぐらいにくっついており、しかも車はBMWの3シリーズのクーペなので、当然2ドアです。2ドアというのは4ドアよりもドアの幅がずっと広いので、ドアの開閉にも4ドア以上にスペースが必要となります。

助手席の女性が降りようとしているものの、ドアが広い上に、こちらの車との間隔が狭いため、ドアをぶつけないよう、見ていて気の毒なくらいアクロバティックな体勢で、片手でドアが開きすぎないよう保持しつつ、その隙間を体をくねらせるようにしてやっとのことで車外にでることに成功。

それが済むまでこちらはドアが開けられませんから待っていたところ、さすがに気まずかったのか軽く会釈をして向こう側にいるドライバーの男性と連れ立って、普通に会話しながら店内に歩いていきました。

しかしです。先にも言った通り、その駐車場はかなり広い上に、閉店しているのでは?と思うほどガラガラでほとんど車はなく、どこでも止め放題なのです。後ろも左右もまったく車はなく、白線だけがむやみに目に入ります。
にもかかわらず、なにを思ってわざわざポツンとあるマロニエ君の車の横にそうまでしてくっつけて止める必要あるのか、その考えがまったく理解できません。

その男性も、ごく普通の今風の青年で、見た目はまあまあのカップル。おまけに車はビーエムで、せっかくそれだけの条件を備えているのに、パーキングでのこの残念なカッコ悪さは見ているこちらのほうが失笑というか、無性に気の毒な気分になりました。
しかも、これだけ広いのに、教習所じゃあるまいし、わざわざ慎重にバックで駐車するのもナンセンスとしか思えません。

ほんらいバックで止めるか、前向きに止めるかも、あくまでケースバイケースだと思いますが、運転の下手な人に限って、駐車というと無条件にバックで止める習性をもつ人が多いように思います。もしかしたら「出るときが楽だから」という思い込みなのかもしれませんが、出るときにバックするほうが、きちんと枠に収める必要もなく、技術的にも遙かに楽なんですけどね…。