前回の続き。
拭き取り不要のコーティング剤を比較するサイトなどを参考にさせてもらって、ひとつの結論に到達しました。
シュアラスターのゼロウォーターという製品で、このメーカーは自動車用ワックスメーカーの中では老舗中の老舗で、むかしからその品質には定評がありました。
これは自動車大国アメリカの製品で、これに追いつけとばかりに日本製にもいろいろと優秀な製品があらわれたものの、この分野でのシュアラスターのトップの座は揺るぎませんでした。
そのうちに、ワックス一辺倒の時代からコーティングが主流となる時代が到来しますが、そのつどシュアラスターも時代の要請に応じた製品作りをしてきたようです。
そのシュアラスターが送り出した拭き取りの要らないコーティング剤が「ゼロウォーター」というわけで、メーカーも自社の威信をかけて開発した製品だろうと思われます。
使い方はごく簡単で、車を水洗いして水分を拭き取る際に、このコーティング剤をシュッとスプレーし、付属のウエスで拭き上げていくだけです。しかも使用量は50cm四方にワンプッシュとあり、しかも作業が簡単なことは、これまでの洗車の常識からすればウソじゃないかと思ってしまうレベルで、クルマの艶出し作業に於ける、あまりのドラスティックな変革に感覚が付いていけない感じでした。
しかもスプレー式のノズルからは発射される液量は少なめで、さすがに耐えられなくなってそれよりも余計に使ってしまいますが、いずれにしてもこんな呆気ない作業というか、そもそも「作業」と呼ぶのも憚られるような施工で、本当にコーティング効果が得られるものなのか甚だ疑問でした。
ともかく一通り全体にこの作業を施して、そのあとはガラス磨きの仕上げなどをやって、ふともう一度車を見ると、!?!?、たしかにボディがひとまわり輝いていることがわかりました。
それは昔のワックスとも、各種コーティング剤とも違ったタイプの輝きで、皮膜の厚みは感じませんが、もっと底からカチッと光る状態になっており、これはすごい!と思いました。
しかも従来のワックス/コーティング剤とは桁違いの安楽な使用法が最大の特徴でもあり、洗車の度に、水滴の拭き上げのついでのような形で重ね塗りができるので、たちまちゼロウォーターに乗り換えてしまいました。
さて…。
実を言うと、マロニエ君は昔から車のコーティング剤などの中から、これは!と思えるものはピアノにも応用して、それなりの効果を確認してきた面がありました。
中にはピアノ専用などと謳われているものより遥かに優れたものもいくつかあり、長らくピアノのポリッシュなどは買ったためしがないほどこれで間に合っていました。
というのも、車の塗装のほうがある意味ずっと繊細かつデリケートで、その点ではピアノの塗装はがっちり分厚く、塗装というよりはほとんど黒もしくは透明のプラスチックでコーティングされているようなものなので、こちらのほうがよほど頑丈のように感じます。
この分厚いチョコレートみたいな塗装こそがピアノの音色を大いに阻害している面もあるようで、純粋に音だけでいうなら塗装を全部剥いでしまったほうが遥かに軽やかでナチュラルで柔らかな響きが得られるはずです。そういう意味では、とことんピアノの音にこだわり、そのためには何事も厭わないというのなら、ピアノの塗装を全部落としてしまうといいと思います。
話が逸れましたが、このゼロウォーターをピアノに使ってみるか否か、それを思案しているこのごろです。