ワクワク?

最近は郊外のドライブスポット「道の駅」に代表されるような、各地域の物産などを扱う集合直売所のような形態がずいぶん流行っているようです。

友人から教えられて、いわゆる「道の駅」ではないものの、ほぼそれに近いもので話題の店があるということを聞きました。しかもそこはこのスタイルの店舗としてはなんと全国一の売り上げを誇っているとかで、さぞかし新鮮な食材が山積みなのだろうと思い、先週末行ってみました。

マロニエ君宅から車で1時間ほどかかる田舎の幹線道路の近くにそれはあり、やはり行ってみるとそれなりに遠いなぁという印象は免れません。なるほど大きな建物、広い駐車場など、期待を抱きながら車を止めていざ店内に入りました。

しかし、結果から先に云うとまったくマロニエ君好みの店ではありませんでした。
もともと低血圧で、午前中から外出するということが嫌なマロニエ君としては、どうしても昼食後の出発になり、到着したのは3時をまわっていましたが、肉魚などの生鮮品は大半がなくなっており、あちこちのケースにはかろうじてぽつぽつと売れ残りがある程度で、なんだこれは!?という状況でした。

野菜などはまだいくらかありましたが、いずれにしても完全にここのゴールデンタイムは過ぎ去った後の残りカスといった風情です。
一気にシラケて、普段ならそのまま店を出るところですが、せっかくそのために時間を費やし、ガソリンを使ってせっせとやって来たわけですから、せめて何かを買って帰ろうと無理にあれこれ探し回って、とりあえず不本意ながらカゴ一杯の買い物をするだけはして店を後にしました。

そこでマロニエ君の印象を総括すると、多くの生産者がそれぞれの商品を持ち寄って売っているために、商品の種類や量に一貫性がないこと、売れ残りを嫌ってか、全体のバランスから云うと肉魚のスペースが小さく、野菜などの農産品がむやみに多いようです。
さらに感じるのは、田舎の直売と聞くといかにも新鮮で安いというイメージを抱きがちですが、鮮度はどもかく、値段は決して安くはないということです。

この点に関しては田舎とか地元だからという配慮は皆無で、まさに街のド真ん中と同レベルもしくはそれ以上の強気の価格設定で、まずはがっかりしましたが、考えてみればこれは実はよくあることなのです。

田舎の皆さんが商売をされるときの多くは、都会の価格を参考にされるのか、それと同等の価格設定にしてしまうことですが、利用者にしてみればそんな遠くまで行った挙げ句、街中と同等の値段であればちょっと説得力がないように感じます。生鮮品の価格というのは、産地から消費地への輸送費はじめ、様々な経費がかかってはじめて算出されているもの。

いかにも本来なら業者に支払うべき中間マージンをそっくり自分達の儲けにしているという印象が免れません。スーパーやデパートは、多大な設備投資、人件費、税金、宣伝費など膨大なコストがかかる中で、さらに厳しい価格競争にもさらされ、売価は緻密に定められたものですが、そういう途中経過ぬきに同等の数字だけをもってきた印象です。

ぜんぜん安くないと首を捻っていたら、偶然、ある日の朝刊にここの記事が大きく採り上げられていて、「価格はスーパーより高い」ということがはっきり書かれていました。
それでもお客さんは、生産者が持ち寄る野菜などが日によって違うため「今日は何が出てくるか」というようなことをワクワクしながら楽しみに来ているのだとか。ということはお客さんも比較的ここの周辺在住の方が主流じゃないのかと思われます。

なんとなくよくわからない世界ですが、これはこれで不思議に成り立っているようです。
近ければまだしも、苦手な早起きをし、往復2時間のドライブをしてまで、日替わり野菜を求めてワクワクするなんて、とてもじゃありませんがマロニエ君にはできそうにありません。