写真登場

このブログを始めるにあたってひとつ心に決めたことがありました。

それは「決して写真に頼らない、文字だけのブログで行く」というものでした。
文才もないくせして、そんなことを考えたのはまったくおこがましい限りですが、そもそも自分のブログを持つということがマロニエ君にとってはすでに充分おこがましいことでしたので、そのついでというところでしょうか。

しかし、今回ついにその自ら立てた掟を破ることになりました。
なぜならまさに「百聞は一見にしかず」というべきテーマに立ち至ったからです。

CD店にある、フリーペーパーなどが置かれた一角で『ぴあクラシック』の表紙が目にとまりました。ベーゼンドルファーのインペリアルを真上から撮した美しい写真だったのですが、いまさらながらその巨大さが醸し出す魁偉な様にはギョッとさせられ、思わず持って帰ってきました。

あらためて見てみると、ヒトデのような不気味な形状のフレームの下には、途方もない広大な響板が前後左右に容赦なく広がっていることを痛感させられました。
音質については好みや主観がありますが、インペリアルは少なくとも図体のわりには声量がないというイメージがあります。にもかかわらず実際にはこれほどの響板を必要とする、まさに規格外のピアノであることにいまさらながらびっくり仰天です。

そこでスタインウェイDとどれほど違うのか、フォトショップを使って重ね合わせてみることに。
同縮尺にすべく、スタインウェイDの黒鍵を横に半分ほど切り落とし、そこへインペリアルと88鍵を揃えるように重ねました。(当然ながらスタインウェイの黒鍵の最低音はBなので、ベーゼンのAsは半分切れています)

bosen-stein.jpg

どうです?
インペリアルの巨大さ、スタインウェイのスリムボディ、いずれもが一目瞭然です。

ふと思い出されたのは、ピアノではなく、なぜか昔の相撲でした。
一時代を築き上げた横綱の千代の富士は、その圧倒的な強さとは裏腹に、その体躯はどちらかというと小兵力士の部類で、このため「小さな大横綱」ともいわれました。
同時代の巨漢力士といえば小錦で、彼はその目を見張るような巨体をいささか持て余し気味でした。
べつにインペリアルを小錦だと云っているのではありませんが、大きさの対比としてパッと思いついてしまいました。

おそらくこの感じでいけば、インペリアルを3台作る分量の響板で、スタインウェイDは楽にもう1台はいけそうな気がします。むろん使う響板は互いに別物ですけれども…。