この頃の若い人の運転ときたら、本当にまずいんじゃないかと思います。
とくに甚だしいほうの大半は男子。
過去にも書いたことがあるので、ああまたか!と思われそうですが、昨日も心底呆れるような車に立て続けに2台も遭遇し、お陰でこっちがいわれなきストレスをかかえるハメになりました。
そのひとつ。
夜、たまたま人を迎えに行くことになり、すでに相手には「これから行く」という連絡をしていたのですが、家を出てほどなくしてやや大きな通りに出ると、運悪く、あきらかに動きのおかしい車がノロノロ前を走っていました。
夜でもあり、昼間以上に安全運転が求められるのは当然ですが、そういう範囲のものではなく、この手の車は見るからに周囲から浮いており、いくら速度が遅くても、独特の危険なオーラがあふれています。
スピードのみならず、ひとつひとつの反応が異様に鈍く、車線をキチンとキープして走ることさえおぼつかない様子。
その証拠に、ふつう信号のない交差点などは少し減速して注意しながら通過するはずですが、そういう気配もなく平然と同じ速度で突っ切って行くし、そうかと思うと、たまたま自転車などが左脇を走っていると、たちまち自転車と同じ速度になり、右側は対向車もまばらで充分かわしていけるのに、まったくそういう意志がないようでトロトロと自転車の斜め後ろを走り続けるのですから、後続車はたまったものではありません。
そのうち自転車が左折しましたが、今度は元の速度(大した速度じゃないですが)に復帰するのもなかなかできずに、しばらくは超低速で平然と走ったりする有り様です。
本当なら一気に抜き去ってやりたいところですが、片側一車線の道路なので、やはりそこまでするわけにもいかず、とにかくイライラしながらこの車の後ろを追尾するしかありません。
そのうち前方の交差点が赤信号となり、ただ単に停車中の車の後ろについて止まるにも、考えられないほど手前から異様に減速し、しかも前車とは理解できないほど間隔を置いて止まってしまいます。
しかし、交差点内には右折車線があって、マロニエ君はここを右折するので、いよいよこの車ともおさらばのチャンスと思っていると、信号が青になり先頭から数台の車が動き出すと、なんと、その車も「いまごろ!」というタイミングで右にウインカーを出して年寄りのような足取りで右に寄り、あくまでもマロニエ君の前方を塞いでくるのですから、もうこの頃にはいいかげん血圧が上がっていたかもしれません。
こんな動きの車ですから、当然というのも妙ですが、右折ひとつするにも相当の時間がかかります。直進してくる対向車線も夜なのでそう多くはなく、じゅうぶん曲がれるタイミングは何度もありましたが、もちろんこいつはそんな気の利いた曲がり方はできるはずもなく、信号が再び赤になり、右折用の青信号が出るまで微動だにしませんでした。
ついに右折用→の信号が青になりましたが、思った通り、それから車が動き出すまでにも、一呼吸も二呼吸もおいてから、ようやくじんわりと車が右に曲がりはじめます。
右折した後の道は片側2車線なので、こちらは左車線に入って一気に抜き去ってやろうと思いますが、その前にどんな奴が運転しているのか、ついつい顔を見たくなるものです。
追い抜きざまに、ちょっと併走して右を見ると、髪の毛はピンピン立てたようなかなり若い男性がひとり、携帯をいじるでもなく前を真剣に見て運転しています。昔はこういう状況にひどく驚きもしましたが、最近は「ああ、やっぱり」という感じしかなくなりました。ですが、こういう車にしばしば遭遇すること自体、非常に憂慮すべきことのように思います。
事は単に運転がめちゃめちゃ下手だということに留まらず、もっと根本的で深刻な問題のような気がします。物事に対する基礎力や感性・感情の低下というか、運転という流動性の高い行為にあっても、まわりの状況を逐一察知して反応することが出来ない、いうなれば、これまで普通だった適応力とか反射神経みたいなものが恐ろしいまでに退化しているとしか思えません。
運転も本当の安全運転なら結構なことですが、マロニエ君の観るところ、ただ交通状況や周囲の流れなどを読んで協調する能力が欠落しているようにしか見えません。スピードを出すことは、良い悪いの問題以前として、たぶん技術的にできないのだと思います。
これが運転だけのことで、車から降りればメリハリのある聡明な人かもなんてとても考えられません。あの調子では、きっと充実した仕事も恋愛も出来ないだろうし、テンポのいい会話や相手に対する気配りなどもできるわけがないと思います。
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