ゴルフは本当の高級車

友人の車買い替えに付き合ってルノー・ラグナに試乗して好感を得たことは、以前ブログに書きましたが、そのときはエアコンが故障しており、修理された状態で再度検討するということになっていました。
それから数週間が経過し、修理が完了したという連絡を受けて、再び車屋に友人二人とマロニエ君の三人でいきました。さあ、試乗開始という段になってみると、問題のエアコンからは一向に冷風が出ておらず、これには店主もたいそうな慌てぶりでした。
が、ともかくそれではどうしようもないのでその場は店を引きあげました。

友人も一度ならず二度までもエアコンが故障とあっては、かなり熱も冷めてしまったようで、結局、他の車を見に行くことになりました。
まずシトロエンのディーラーに行き、最新のC3/DS3Sなどを見るが決め手なし。マロニエ君的にはフラッグシップのC6のたとえようもないエレガントな佇まいに魅せられましたが、お値段も大変なものですから見るだけ。

続いて、ついでに日本車も見てみようということになり、普段はまず行くことのない日産なんぞに行ってみました。試乗車として外に置かれていたティーダに乗ってみましたが、デビューから時間も経過しており、インパネのデザインが古いことや、走行感覚も見た目よりかなりチープなもので、これではとても小さな高級車などとは言えないことが判明。ティーダは以前から少し興味はあったものの、一気に冷めました。
試乗後は、ショールームの中にあったキューブになにげなく座ってみたところ、その広大な居住空間、柔らかなシートなど、こういう車もあるのかと、予想だにしなかった驚きがありました。欲しいとまでは思わないまでも、いちど是非運転してみたいものです。たまたま試乗車がありませんでしたが。

続いてプジョーのディーラーへ。ショールームを一巡したのち、207の中間車種に試乗。プジョーはもともと猫足といわれるように、しなやかな足回りで小気味良いスポーティードライブができるのが特徴でしたが、この207ときたら、やたらめったら引き締められた固い足回りのせいで、ボディは絶えず小刻みに揺すられ、まるでスポーツカーのような乗り味でした。特別のスポーティバージョンでもない通常のカタログモデルであれだけの固い乗り心地というのは、到底なっとくできるものではありませんでした。
たしかに一定の質感はあり、その点ではただブカブカした乗り味のティーダなどとは一線を画するものがありましたが、あんなに始終揺すられるのはなんにしろ疲れていやですね。

さらにもう一軒、フォルクスワーゲンに行き、最新のゴルフとポロを観察して、ゴルフのTSIコンフォートラインに試乗しました。そうしたら、これがとんでもなく良くできた車でした。ドイツ車は骨太でゴツくて無愛想などというのは昔のイメージで、非常にあたりが柔らかく、しなやかで、しかもたったの1.4Lにターボなのにものすごいパワーがあり、大人の男4人を乗せた状態でもグイグイと力強いパワーを生みだします。上り坂でもちょっとひと踏みで100km/hなんてあっという間で、しかもスタビリティ(安定性)も操縦性も文句なしで、いやはや舌を巻きました。おまけにプリウスに迫る高燃費と来ていますから、もう呆れるばかりです。
後ろの席はシートの座面も平坦で乗り味もやや落ちますが、フロントシートにいる限り、運転席でも助手席でも、そのフィールはまさに高級車のそれでした。
いまのゴルフは下手なベンツやBMWよりよほど上質な走りをする、本物の高級車だと心底思いました。あんな緻密な走りをして、エンジンはすごく静かで、速くて、それでいて外観はしれっと地味なゴルフなのですから、これは大した車です。

このゴルフの何台分もの金額を払って、意気揚々とベンツやBMWに乗っている人に、ゴルフのハンドルを握らせたら、何というか聞いてみたいものです。
もちろん、ブランドやマークだけで乗っている人には、どうでもいいことでしょうけれど。
一気にいろいろ乗れて、久しぶりにいい勉強になりました。

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