書店でクライバーンコンクールの本を立ち読みしていたら、コンテスタントの使用できるピアノは三台あって、ハンブルク・スタインウェイ/ニューヨーク・スタインウェイ/そしてもう一台はクライバーン・スタインウェイといわれるピアノだそうです。
出場者はこの三台の中から、自分に合ったピアノを与えられた時間内に選び出してコンクールに挑むわけです。
クライバーン・スタインウェイはもとはニューヨーク製ですが、ニューヨーク製の流儀に反して黒の艶出し塗装された楽器で、テレビやネット動画で見ても、なかなか良い音を出すピアノだと思っていました。
ニューヨーク・スタインウェイのレギュラーの塗装は、艶消しのヘアライン仕上げというもので、この点でもハンブルク製の艶消しとは仕上がりが異なります。
外観には、三台それぞれの特徴が明確にあるので、youTubeなどで見ていても誰がどのピアノを使っているかは一目瞭然で、容易に区別がつくのがありがたいところ。
ちなみに、優勝した辻井さんは一貫してこのクライバーン・スタインウェイを使っていたようです。
それにしても「クライバーン・スタインウェイ」とは何でしょう?
単純にクライバーン個人が所有するスタインウェイということか…と思いますが、あるいはクライバーンの所有でなくても、彼が特に気に入っているピアノということかもしれませんね。
最近のニューヨーク・スタインウェイで感心しないのは、演奏中のピアニストの顔が正面から映るように、カメラがピアノ後部からのアングルで撮影した場合でも、はっきりピアノのメーカー名がわかるよう、ピアニストの顔の左下あたりの必ず画中に映り込むポイントのフレームに、「STEINWAY」という真っ黒いゴツい文字を入れたことです。
いくら宣伝第一でも、そんなことをしてまでなんになるというのか!
世界に冠たるメーカーがこの悪趣味はいただけません。
ちなみにクライバーン・スタインウェイにもそれは入っていました。
ハンブルクではまだ一度も確認できませんから、おそらくはニューヨーク製だけの特徴のように思いますが。