スズメバチ

なんとも恐ろしい光景を目にしました。
きのう、午前中外出して、ちょうど昼過ぎに帰宅して玄関に向かおうとしたとき、足元の石畳になにか小さな動きのある気配を感じました。
見ると、蝉が仰向けになって動いているので、そのへんの木に戻してやろうかと思った刹那、よく見るとアッとおどろくような状況になっているのがわかりました。

蝉の身体に大きなスズメバチが覆い被さっていて、生きている蝉の息の根を止めようと奮闘しているところでした。

スズメバチといえども、蝉よりはいくぶん身体は小さいのですが、勝負は完全にハチのペースで、蝉はなす術がない状況でした。
ときどき透明のきれいな羽尾をむなしくパタパタさせる蝉がなんとも哀れでした。
スズメバチは完全に蝉の上で思うさま蝉を攻撃して、まさに強者の姿でした。

驕り高ぶっているのか、ハチはマロニエ君が30cmほどに近づいているのにも目もくれず、まるでジャングルのライオンが獲物をしとめたときのように、一心不乱にその処理に熱中しているようでしたが、そのときのスズメバチの憎たらしさといったらありませんでした。
この段階で、すでに蝉の敗北は明らかでしたから、だったら一気に靴で蝉もろとも踏みつぶして、スズメバチを退治してやろうかという考えが頭をよぎりましたが、なにかが躊躇させてついに出来ませんでした。

いったんは玄関に入りましたが、気になってしばらくして見に行ったら、なんと、もうそこには何一つ残っていませんでした。
おそらく蝉を絶命させたのちに、巣に持ち帰って仲間とともに獲物をとことん食い散らしたのでしょう。

人間の世界もいいかげん厳しいですが、いやはや、いずこもすごいもんだと思いました。

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