【いただいたコメント】
名前:福岡から タイトル: 今年聴いたショパン-No.19〜24
今年聴いたショパン-No.19〜24を拝読しました。読み応えのあるシリーズでした。最近は恵まれていて、あまり聞いたことがないピアニストも右クリックで動画検索に入り瞬時に数曲効けるという王侯貴族でも不可だったことがモバイル環境で可能ですね。
私の良く聞くピアニストについては賛同できる面が多々ありますが、やはりバレンボイムについては、彼しか引き受ける人間がいなかったのだと思います。彼は今の年齢66才でもベートーベンソナタ全曲ライブとか破天荒な試みを成功させておりますし、ショパンもかなり古くからレコードがあります。
彼のアコーギクなりルバートには鼻につく面がありますが、それなりに全曲大きな破綻なく収めるベテランが、若手のキーシンに対していなかった(引き受けてくれる人が)ということではないかと拝察します。
個人的には完成度はともかくバレンボイムのように何でも弾けるといいなあ、と思う毎日です。普通の人にとって人生はショパンにせよベートーベンにせよ全曲弾くにはあまり短すぎるものですから、その観点でバレンボイムを評価している一人としてペンをとりました。今後のエッセイも期待しています。
【マロニエ君より】
コメントをいただきありがとうございました。
最近のバレンボイムはせっかくの才能を乱費しているようで残念です。指揮をする量が増え、壮年期に入ったあたりから仕事の質が次第に落ちたと思います。子供の頃はモーツァルトの再来のように言われた神童だった聞きますが、歳をとり、世間の垢にまみれ、ついには大手スーパー並の演奏商売をはじめた観があります。
たしかに彼のように何でも弾けるのは羨ましいですが、アシュケナージもそうであったように、あまりにも無闇に広範なレパートリーを手中にしようとするピアニストは、どうしても仕事が粗く、音楽に霊感が無く、いつしか音楽の土台までがこわれていくような気がします。
おっしゃるようにピアノのレパートリーはあまりにも膨大で、人の一生では時間が足りないというのは同感です。
ところが、現代ではいつの間にかベートーヴェンを弾くなら全曲演奏は当たり前というような風潮で、誰もが音楽と言うより記録作りのたぐいにばかりに精力をさいて無意味な挑戦するのは危機感を覚えます。
いつもながらお粗末な文章をお読みいただき恐縮ですが、今後ともよろしくお願い致します。