「ピアノの本」

ヤマハのレジの横に置いてある「ピアノの本」という、たいそう小さくて薄い、わずか40ページほどの冊子があるのをご存じですか?
いちおうは月刊誌らしいのですが、普通の雑誌の付録にもはるか劣る、とてもお金を出して買うようなものには見えないものです。
せいぜい航空会社の時刻表並みですが、紙質ははるかに劣りますし、カラーは表紙のみです。

それでなくても今時は、無数のたいそう立派なフリーぺーバーが世の中ひしめき合っている中、なんとこれが有料だというのですから開いた口がふさがりません。だれがあんなものをお金を出して買うんでしょう?

ところが、それが現実にレジ横で105円で売られていて、しかもピアノの先生の何とかいう会員とかであれば無料とのことなのが甚だ愉快ではありません。一般の客でもレジではちゃんとお金を出して定価で商品を買っているのに、これではまるで差別されているみたいで不愉快なので、マロニエ君はこれまでに一度たりとも買ったことはなく、したがって常々ほとんど読んだことはありません。

そういう一部優遇制度が撤廃されれば気まぐれで買うこともあるかもしれませんが。
逆にいうと、あれを敢えて105円出して買う人はまずいないと思うので、だったらどうして無料にしないのかと訝しく思うばかりです。
しかも、以前ヤマハの別店舗ではタダでもらったことがあるので内容を見てみると、ピアニストへのインタビューとか、先生の紹介、ヤマハのコンサートや公開講座/公開レッスンの案内、あとはヤマハのイベントやヤマハの新製品や新刊のニュースの羅列で、要するにヤマハに関する宣伝の類ばかりが書かれた冊子です。

これを一部の先生だの会員だのにはタダで渡し、お金を出して現実にモノを買っている一般のお客さんには105円也を請求するとはなんたることかと思いました。
別店舗では「どうぞお持ちください」と言われたこともありますが、天神では頑として売り物扱いですからいい度胸だと思いました。

タダでも読んでもらえるだけ幸せと思うべきところを、何を勘違いしているのでしょう。
これを無料にしたところで、みんなが一斉に持っていくようなものではぜんぜんありませんし、そもそも刊行された印刷物は少しでも多くの人に読まれてこそ意味があるというもの。

いかなる企業も顧客の確保とサービスの向上には、それこそ血の滲むような努力をしているというのに。
思うところをヤマハの担当者に電話して、鋭意検討の上、善処してくれるよう伝えました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です