再放送

日曜日の午後、NHKアーカイブスでショパンコンクールのドキュメント番組が再放送されましたので、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
これはユンディ・リが優勝した10年前の記録による「若きピアニストたちの挑戦」という70分の番組で、マロニエ君は途中から見たのですが、今年がショパン生誕200年であり、10月には5年に一度のコンクールが開催されるというタイミングもあって放送されたのだろうと思いました。

以前も見た記憶のある番組でしたが、やはりこのクラスのコンクールに出るのは並大抵ではないことをまざまざ感じさせられます。
以前誰か日本人の女性ピアニストが言っていたことで、それが誰だったかもう忘れましたが、ショパンコンクールに(出場者として)行くと、会場に入り、ほうぼうで練習しているその音を聞いただけで、そのとてつもないレベルの高さに圧倒されて、身がすくんでしまうというようなことをいっていたのを思い出しました。

つくづくそうなんだろうと思うほど、みんな本当に上手くて見事な演奏をしていますが、それでも二次にさえ進めない人、三次で終わりの人、ましてや決勝に残るなどもはや尋常なことではない事だと思わせられます。

マロニエ君的には、決勝に残った人、残らなかった人、それぞれにどうして?と思える人があって、以前から話題の尽きない問題、すなわち審査の公正さや判定をめぐる審査員達の攻防も熾烈を極めると聞きますが、それはこういうドキュメント番組をチラッと見ただけでもふっと察せられる気がしました。
これまでに審査に不服を申し立てて席を蹴った審査員も数多く、スポーツとは違ってピアノ演奏の真の価値を審査するというのは本当に難しく、さらにそこへ汚い裏事情まで絡んでくるとなると、いやが上にも複雑化し紛糾するのは当然のことだろうと思います。

番組が終わるとスタジオの場面になり、またぞろあの有名ピアニストが鎮座していて、すでにもうなんども聞いたような解説をして自分がまるで主催者であるかのようでした。見ていると、もはや時代遅れというべきヘビー級の厚化粧で、目の周りはいろんな線やぼかしやキラキラ光る粉などが所狭しと塗られているようでした。
うしろにピアノがあるので嫌な予感がしていましたが、やはり最後にこの御大は自分を見せる時間がないと気が済まないらしく、「あたくしが、ショパンコンクールでも弾いた黒鍵のエチュード」が披露されました。
演奏に関してはノーコメント。

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