一人旅

久しぶりに会う知人らと食事をしました。
いろいろとりとめもない話題が飛び交いましたが、旅に関する話が持ち上がりました。

このうちの一人は今月海外に行くとのことでしたが、もう一人は国内のあちこちを時間を見つけては、しょっちゅう一人で旅に出かけているようです。
マロニエ君にとって驚くべきは、この2人とも「一人旅」が好きだということでした。

人の好みや感性は実に様々ですが、一人旅を好むというのはそのひとつの大きなあらわれのような気がします。
知人に言わせると、一人旅には自由があり、自分の趣味や気分のおもむくままに行動でき、旅行中の時間を自分のためだけに十全に堪能できるという利点があるようです。
なるほどなあ…とは思いますし、話としてはわかるのですが、いまいち実感は湧きません。

マロニエ君のような甘ちゃんにとっては、一人でレストランや喫茶店に入ることも嫌なのに、何が悲しくて一人旅なんかしなくちゃいけないのかとしか思えませんから、どんなに素敵だと言われても想像もできない世界。ましてや海外へのアテなき一人旅なんてとんでもない。
そんなことをするくらいなら家にいたほうがどれだけいいかとしか思えません。

一人旅を好むようになるには、各人の生活習慣も大いに関係しているような気がします。
外に勤めに出て、出張したり転勤したりと鍛えられて、単独行動がなんでもないことになるのでしょうし、下手に気の合わない人と我慢して同行するより、一人のほうがどれだけ快適かということにもなるようです。

マロニエ君といえば自分でもおかしいぐらい真逆の人間で、学生時代に東京から帰省する際、飛行機以外にも、車でも数え切れないほど往復した経験がありますが、だいたい誰かを誘い込むか、一人で行かざるを得ない場合は、途中休憩もそこそこに極力ノンストップで走りきるという、かなり無茶なことをしていたという記憶があるばかりです。

これが一人旅の好きな人ならば、せっかく車と時間があるのだから、それをチャンスにほうぼうに立ち寄って、普段できないような自由な旅を楽しみながら福岡なり東京を目指せばいいのでしょうが、それがもう、てんでできないわけです。
一目散に目的地を目指し、旅の宝庫である京都や神戸、瀬戸内の街々をすべてすっ飛ばして、脱兎のごとく徹夜してでも走覇していたあの頃を思い出しました。

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