世間は狭い

スタインウェイ・システムピアノ説明会というのが地元特約店で開催されたので参加しました。
輸入元の方がさまざまな角度からスタインウェイの特徴や長所を説明され、わずか1時間ほどではありましたが、たいへん勉強になる会で、もっといろいろとその奥まで聞いていたいようなお話でした。
システムピアノというのはボディに塗装をしない状態で仕上げられたピアノで、通常は黒く塗られたスタインウェイピアノが実はどのような木材を場所ごとにどのように配して使われ、いかに確かな根拠に基づいて緻密に製造されているかを視覚的にわかるようにしたいわば教材のようなものでしょう。
それ以外は通常となんらかわることのないピアノで、今回準備されたのはB型(211cm)がベースでした。

このB型は断じて一般売りはしないとのお話でしたが、マロニエ君はもうずいぶん前ですが、東京の松尾楽器で同じ状態のD型とアップライトの同型にも触れたことがありましたが、そのD型はその後、さる高名なピアニストの自宅へ収められたようですから、役目が終わればこのB型もいずれ内々に売却されるのかもしれません。

東京で見た当時から抱いていた印象ですが、実はこの塗装をされない状態もなかなかどうして美しいのです。
やわらかで品の良い、それでいてカジュアルな感じのピアノになっているので、このままカタログモデルにしてもいいような佇まいがあり、今回も見ていてやはり同様の印象を持ちました。
厳選された木材というのは、それだけですでに美しいものなんですね。

昨日は20人余りの催しでしたが、ピアノというわりには男性の参加者がとても多く、調律師の方々もたくさん来られているようでした。思いがけず何人もの知り合いの調律師の方に、こんなにいっぺんにお会いすることができたのは初めての不思議な経験でした。やはり世間はとてもとても狭いのですね。
中には本当に久しぶりにお会いできた方もいらっしゃり、なつかしい話もできました。
またこのぴあのピアのホームページを見てくださっているという御方からも思いがけなくお声をかけていただき、いろいろとお話しをさせていただくことができるなど、大変嬉しい充実したひとときを過ごすことができました。

唯一残念だったのは、ちょっと違和感のある一部の人達が説明会終了後、店主の「どうぞ弾いてください」という言葉を免罪符にして、その場の空気も読めずにガツガツと貪るように弾き散らしていたことでした。
うるさくて、やむなく外に出られた方も多くいらっしゃったようです。
どのような場合でも、身の程をわきまえるということは非常に大切ですね。

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