何故かこのところ立て続けに音楽映画を観ました。
『4分間のピアニスト』というドイツ映画(2008年)で、ずいぶんいろいろな賞をとった話題作とのことでしたが、残念ながらまったくマロニエ君の好みの作品ではありませんでした。
この映画のホームページには、まるで世界中が絶賛した、傑出した作品のように書かれていますが…ほんとに?
暗い過去を背負い、人生を踏み外して刑務所に服役している若い女性の天才ピアニストを、老教師が見出し、刑務所内にピアノを運び込んでレッスンをはじめますが、心を閉ざし手のつけられないほど荒れた主人公は、なまなかなことではピアノに向かわせることもできません。
老教師は音楽に関しては極めて厳格な人物ながら、辛抱強くこの荒れ果てた女性に接して指導を続け、いつしか二人は心を通わせて、コンクールに出場するまでが主な流れですが、主人公の若い女性の屈折した人格をリアルに表現しようと、随所にむき出しの強烈な映像が置かれ、中でも暗くて陰惨な暴力的シーンが多いのは見ていて疲れました。
暴力といってもアクション映画や日本のチャンバラとは根本的に異なり、神経に刺さるような生々しい、嫌悪感を増幅させるようなもので、精神的に不安定な人間がまき散らす、恐怖心とヒステリックな攻撃性をいやらしいほど残酷に描くのは、見る人が見れば高い評価をするのかもしれませんが、映画を見る目的を娯楽においている者にとっては相当な嫌悪と疲労を覚えました。
もちろん楽しいばかりが映画ではないことぐらいわかりますし、あれはあれでひとつの表現であったと考えなくてはいけないのでしょうけれども、なぜああまで暗くてハードなものにしなくちゃいけないのかマロニエ君は理解に苦しみます。
でもきっと、最近の賞を取るような映画っていうのは、こういう手合いが多いんだろうなあという気がしました。
クラシックの名曲もそれなりに出てきましたが、音楽を楽しむ雰囲気でもなく、さらにはっきり確認したわけではないけれど、いやに音程が高めで最後までこれが気になって更に疲れました。
刑務所に運び込まれたピアノはドイツ映画だけあってシンメルのグランドで、最後のコンクールでステージに置かれたピアノも同じくシンメルでした。
シンメルはドイツでは良質な量産ピアノですが、なかなか音として客観的に聴く機会はないので、もう少しこちらも楽しめるものであったらよかったのですが、残念ながらそういう次元には至りませんでした。
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この前はおめにかかれて光栄でした。
ショパンコンクールはファイナリスト10人のうち4人が
yamahaのCFXを選ぶなど、100年来の大きな動きが
あります。個人的には一度CFXを弾いてみたいと思います。
残念ながら突出したピアニストはいないので、かなり
最終はもつれそうです。審査員にアルゲリッチや小山
さんが居ますので、パワーの方向にいくのでしょうか。
ぜひショパンコンクールが終わった時点でトピックに
あげてくださいね。
やまもと
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そうそう、ついでですが、シンメルピアノは熊本の古城楽器
にあります。
音は昔のベヒシュタインに似ています。
やまもと