無頼の徒対策?

いつもながら天神に出たついでにヤマハに立ち寄りました。
世相を反映してか、今や天神店のような基幹店にもリニューアルピアノが多数展示されるようになったのは以前このブログでご報告した通りですが、一段とその数が増えているように感じました。

すべてのピアノの鍵盤の上には「試弾の際は係員まで」という意味のカードが置いてあり、要するに無断で弾かないでくださいという警告です。
本来的には、ピアノは音を出してこそのものであり、ましてや中古のリニューアルピアノというなら、余計に気軽に弾いてみる必要があるようにも思えるところです。

よほど購入を視野に入れたお客さんなら店員に声掛けしてでも試弾してみるでしょうが、大半の人は腰が引けてしまいますし、それでビジネスチャンスを逸することもあるでしょう。
純粋にピアノ販売としてだけみるなら、必ずしも正しい方法かどうかはよくわかりません。
他の購入品にも言えることですが、一般的なお客の心理として、まずは店員の存在に縛られることなく、自由に触れてみたいという気持があり、そういう自由な入口があることで購入の方向に発展する場合も決してないことではないと思います。

しかし、おそらく物事の現実はそう簡単な話ではないのだろうと思います。
ヤマハはピアノ以外にもCDや楽譜をはじめいろいろなものが置いてあり、それらを求めて来店しているお客さんもいるわけで、そこで商品のピアノを自由にどんちゃんやられては他のお客さんの迷惑になるという配慮が働いているようにも思います。

とりわけ躾の悪い子供などが好き勝手にやり出したら、今どきは親の管理も期待できませんから、大変な騒音になるでしょう。
子供よりもタチが悪いのは、ちょっとピアノが弾けるつもりの、勘違い満載の大人のほうかもしれません。
こういう人達は自己中&自己顕示欲がめっぽう強く、自分ではそれなりに上手いつもりで救いようのない勘違いをしていますから、これでもかとばかりに弾くだけ弾いて、気が済んだらパッと帰るだけです。
この手は99%お客になる見込みはなく、それは当人も良くわかっているはずです。
だからよけいに一時の快を求めるように、店のピアノをまるで飢えた狼のように弾き漁るのでしょう。

滑稽の極みは、周りは感心して耳をそば立てているというお目出度い自意識があるようで、こういう人の大半は「認められたい願望」が強烈な、なんとも哀れな人達のようです。しかし、そういう強烈願望を持つに至ったという事実そのことが、認められるべき何物も持っていないことの表れなのですが。

こういう無頼の徒の被害を食い止めるために、やむを得ず上記のようなカードが鍵盤の上に乗せられているのかと思うと、つくづくと世の中は低い次元に合わせた規制をしなくてはならないという、真に情けない条理があるように思いました。

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