ご同慶の至り

日曜は大変お目出度いことがありました。
かねてよりピアノ購入を検討していたマロニエ君の知人が、ついに決断したのです。

その人とは何カ所かのピアノ店を回りましたし、その他の場所でも共に弾いて楽しむ趣味のピアノの仲間です。
ピアノと音楽が好きという点では大いに共通していますが、彼はとりわけ古典派の作品を嗜み、一人の作曲家なり一つの作品にキチンと真面目に打ち込むタイプで、その点ではあれこれと節操なく弾きかじっては一箇所に落ち着けないで、中途半端な仕上がりばかりを増やすマロニエ君とは大違いです。

購入機種の候補としては国産のピアノにも気になるものがあり、あれこれと考えていたようですが、なにしろ現在の住まいがグランドピアノを置けない環境らしいので、ピアノ購入はいずれどこかへ引っ越してからの事とゆったり構えていたところへ、マロニエ君の知る技術者からの話が飛び込んできて、その人が取引をしている海外のブローカーからの情報がもたらされました。

今はまだその時期ではなかろうと思いつつ、「いい話だから伝えるだけは伝えてみて欲しい」と言われ、ひとまずダメモトで言ってみたのが事のはじまりだったのですが、それが結局は購入へと実を結んだわけです。
考えてみれば、ピアノに限らず、自分が一番好きなことに関する情報は、そうそう軽く聞き流して打ち捨てることは人はできないものかもしれませんし、逆に行動を起こすきっかけになるのかもしれません。

はじめ2台だったものにもう1台加わり、計3台のピアノ情報が寄せられたのですが、なにしろピアノは遠く異国の地にあり、写真を見る以外は、触れることも音を聴くこともできません。
写真は要求するたびに数を増し、しまいには響板の裏から撮った写真まで送られてきましたが、こんなときネットの力はやっぱりすごいもんだと思いました。

本当は現地へひとっ飛びしてくるのが一番良いのですが、遠い外国ともなるとそう簡単にもいきません。
結局写真と情報だけで決断せざるを得ず、本来ならこんなピアノの買い方は決して正しいとは言えず、マロニエ君としても現物確認できないことが人ごとだけによけいに気にかかりました。
しかし、そのかわりにはいろいろと都合のいい事情が絡んだことと、折からの円高で、価格は国内で買うよりも有利ということもあり、万が一気に入らなくても決して損になるような買い物ではないという判断も働いて、ついに購入の決断に至ったというものです。

写真によると、ピアノは美しいギャラリーの一角に置かれていただけのようで、製造後10年足らずであまり弾かれておらず、非常に程度がよさそうなピアノであることが窺えたのも決め手だったようです。あとの2台はすでに60年前後経過しているピアノで、これはこれで魅力だったのですが、今回はできるだけリスクを避けて新しめのピアノになりました。

本当はこんな隔靴掻痒な書き方はせず、もっと具体的にダイレクトに書きたいところですが、まあ浮き世にはいろいろと障りもあるかもしれず、なにぶん自分のことではないので、今のところこんな表現しかできないことを申し訳なく思います。

そのピアノがいつごろ遠路はるばる日本へやって来るのかはまだわかりませんが、今どきの発達したトランスポートシステムと、間に立っているのがその道のプロということも考えれば、そう遠いことではないと思われ、非常に楽しみです。

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