ある朝突然に

昨日の午前中のこと。
なにげなくテレビニュースを観ていると、今朝がた起こったという交通事故のニュースが流れました。
隣県の高速道路で深夜に発生したというその事故は、はじめに単独事故を起こした普通乗用車に、後続の大型トラックが二台続けて衝突したというもので、乗用車に乗っていた2名がともに死亡するという大事故のようでした。

現場の映像が流れましたが、車はほぼ原型をとどめないまでにグニャグニャに押しつぶされ、事故の苛烈さを物語っていましたが、そのボディーカラーや後部にかろうじて原型をとどめた一部分、さらにはホイールのデザインから、ふとある車種では?という思いがよぎりましたが、それでも損傷がひどくてほとんど判断はつきませんでした。

ところが亡くなったという二人の名前のうち、運転者と思われる男性の名前にちょっと聞き覚えがあったことと、マロニエ君が以前、車のクラブの名簿など作っていたこともあり、テロップに出た姓名の文字が知人と同じだったようなかすかな覚えがあり、思わず妙な気分になりましたがニュースはそれっきり終わりました。

こうなると、なんだかどうしても気に掛かりはじめて昔の名簿を探してみたところ、やはり同じ姓名で年齢も一致しています。その人はずいぶん前にクラブは辞めていましたが、事故の発生現場と住まいは同じ県でもあるので、さっそく友人に電話してみると、彼もそのニュースは見たらしいのですが、そこまで思いは至らなかったといいます。

で、事故現場の地元に近いメンバーに電話をしてみると、彼はまったく何も知りませんでしたが、マロニエ君の話を聞くうちに声がしだいに硬直してくるのがわかりました。
嫌な可能性はますます濃厚となり、ちょっと確認してみると言いはじめました。しばらくして向こうからかかってきた電話では、やはり亡くなったのはその元メンバーの方で、現在、車のディーラーであるその人の店では大騒ぎになっていたという話でした。

マロニエ君はその人とはとくだん親しいというほどの間柄ではなく、さらにここ数年は会っていませんでしたが、それでもある時期はしばしばお会いしていましたし、友人がその人の世話で車を購入して、その引き取りに同行したり、一度などは自宅にお邪魔して車などあれこれと見せていもらったり、クラブミーティングの幹事をやっていただいたりしたこともあるだけに、やはり静かな衝撃が時間とともに深まってくるような思いでした。

テレビドラマなどでは、平穏な茶の間のテレビニュースで知人が関係した事故や事件を偶然知るというシーンがあるものですが、あんなことはあくまでドラマの中の作り事で、実際にはまずないことだと思いこんでいましたが、ほとんどそのままの、生まれて初めての嫌な経験をしてしまいました。

決まり文句のようですが、心よりご冥福をお祈りするとともに、同じハンドルを握るものとして、安全にはくれぐれも注意しなくてはいけないと、事故の恐ろしさを再認識した次第です。
また、残されたご家族のことを思うとただただ胸が痛みます。

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