ピンの根元

チューニングピンを磨いてみたら、意外にきれいになったことで味をしめ「だったらここも…」と欲が出て、その下のフレーム部分のホコリなどをもう少しきれいにしたくなりました。

しかし、ピンの付け根付近は「掃除不可」といわんばかりに弦が整然と張られており、そのわずか数ミリ下をかいくぐるようにして積もったホコリを取り除くのは相当な難題です。
おまけにフレームと弦の間は数ミリと非常に狭く、道具類を差し込む余地がないから、見れば見るほど心が折れそうになります。

除去したい汚れやホコリはすぐ目の前だというのに、弦が立ちはだかって手出しができないのは、もどかしいと言ったらありません。

その難易度はピン磨きどころではないし、無理をして万が一にも弦に損傷を与えるわけにもゆかず、古典的な方法ではあるけれど、綿棒を使ってみることに。

さっそくダイソーに行って、「普通サイズ」とさらに細い「赤ちゃん用」という二種類を購入。

作業をはじめたものの、思った以上に現場は複雑ではかどらず、作業は遅々として進みません。
進まない理由のひとつは、綿棒は思ったよりも先端の接地面積が小さく、なかなか面として広がらないから細いサインペンをコチョコチョ動かしているようなもの。

あたかもファイリングされたハンマーのようで、先はごくわずかしか当たらず、こんなことをやっていても埒があかないし、仕上がりも好ましいものにはなりそうにない。
そこで、包丁用の砥石に綿棒の先端を当ててこすって、先端をほぐし、細字から太字ぐらいに拡大したらいくらかマシになりました。

しかも弦の下は普通の綿棒では入らないので、ここでは細い赤ちゃん用がずいぶん役立ちました。

あまり根を詰めると腰や肩がやられそうで、少しずつ数日にわけての作業となりました。
とくに満足というほどでもなく、別の方法も考えみようと思っていましたが、良いアイデアも浮かばないし、日が経つとだんだん面倒くさくなりました。

いやはや…ピアノの内部掃除は大変です。

ピンの根元」への7件のフィードバック

  1. 目に見える効果はありそうですが、これを250本分ほど繰り返すとなると確かに気が遠くなりますね。
    私の場合、内部外部ともに週に1回程手の届く範囲を毛ばたきではたくのがせいぜいといったところです。

    塗装部分や金属部分、鍵盤などをそれぞれに合ったクリーナーで磨きたいという思いはありますが、「使われている素材によっては痛めることがあります」という文句を見るともうダメです…。

    • そりゃもう、気が遠くなりますよ。
      そんなヒマがあったら練習したらという声が聞こえてきそうですが、練習とはまた別の話で、愛用する楽器に感謝を込めて掃除に精を出すのも悪くないと思いした。
      私の個人的な好みですが、できるだけクリーナーの類は使いません。
      とくに黒/木目のつや消しの場合は、化学雑巾を水に濡らして硬く絞って、軽く拭くのが安全だと思います。
      鍵盤も同様で、できれば精製水(薬局で100円強/本)を使うと効果的です。

  2. マロニエさんのピアノは、こんなに細かいところまで丁寧に手をかけてもらって幸せだと思います。

    ピン周りの埃、気になりますよね。綿棒でお掃除されたのですか。しかも2種類を使われて、とてつもなく気が遠くなる作業ですね。お疲れ様でした。

    私は、ピン周りはチークブラシでサササーっと払うぐらいです…。埃があまり溜まらないうちに払うのがいいのかなと思います。
    埃を溜めすぎると見た目だけではなく水分を含んでしまうので音にも影響ありそうですね。あまりに溜めすぎると虫等も湧いてきそうですし。
    縦型のアップライトと違って平型のグランドは常に埃と格闘する事になりますね。
    本当にすぐに溜まります。
    かといって前屋根を閉めっぱなしもどうかなぁと思い、結局は常に開けてますね。

    • チークブラシですか!
      普通のブラシのほうが毛並みに腰がありそうですが、何が最適かはまだわかりません。
      堆積したゴミは一度しっかり汚れをとっておけば、あとはおっしゃるようなブラシで維持できると思います。
      ただ、ブラシというのは厳密には散らしているだけなので、それが舞い上がって、再びどこかに落ちている可能性も…。

      グランドはどうしてもピン周りのホコリが悩ましい部分ですねぇ。
      前屋根を開けて楽譜が広げてある状態というのは素敵ですし、そのほうが弾きたいときにサッと弾けますから、それはそれでいいのでは?

      • ご返信ありがとうございます。
        そうなんですよ、チークブラシを何も考えずに動かすと埃が舞ってしまいます。
        正確に言いますとブラシを払うというよりかはブラシの軸をピンに沿ってクルクル回しながら這わせる要領で埃が舞わないようにし、こまめにブラシに付着した埃を取り除きながら掃除しております。
        チークブラシも柔らかめと、硬めのものを2種類使ってみたのですが、柔らかめの方が弦の下にも入り込んでくれるから個人的には柔らかめがいいかなぁと思いました。硬めですと細かい傷が入りそうかと思って使っておりません。

        あくまで個人的な簡易的な方法なので、皆さんはどのようにお掃除されているのかなぁとずっと気になっておりました。

        知り合いのお宅のピアノは、まるで粉雪がずっしりと堆積しているのかと思えるぐらい埃か積もっていて、(プチ雪だるまが作れるかも…)とても気になってついつい凝視してしまいます…。

        仰るとおり、埃は多少入っても前屋根をフルオープンにして楽譜も出したままでいつでもすぐに弾ける方が格段に弾く機会は上がりますね。

  3. 以前にマロニエさんにピン磨きを教えて頂き、器用な主人に磨いてもらいました。
    サビも取れ綺麗に輝いています。マロニエさんのピアノのお手入れには感心しております。
    その節は、ありがとうございました。

    ピアノ購入時から楽器店のオーナーがピンを覆うように柔らかい通気性のあるネルのような素材を装着をしていただいたお陰で、埃への心配いらないです。
    演奏にも影響がないそうです。

    私はピアノカバーはしないし、ピアノの上に楽譜や物を置くのも不快で、ピアノに興味がない友人が何気なくピアノ上にバッグなどを置かれると注意を促しています。気になさらない方もおれれると思いますが、私はいやですね。

    それと、鍵盤カバーは全く不要で何で日本人だけが使用するのか、未だもってわかりません。あれは必要なのでしょうかねえ?

    • 教えたなんてとんでもない、自分がやったことを書いただけです。
      たしかにピンまわりは上になにかかけておけばいいので、透明のホコリよけのような製品もありますね。

      私もピアノのカバー類はどうしてもイヤですね(直射日光が当たるなどの実害があれば別かもしれませんが)。
      ピアノの上にバッグですか!それはひどい!
      だいたい日本人はバッグのマナーを知らず、テーブルの上にポンと置く人がいますが、あんなことヨーロッパでやったら笑われるでしょう。

      鍵盤カバーは私もまったく意味不明で、どういう効果があるのか知りたいものです。

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