タブーとの戦い

このところ、更新のエネルギーがふっつり消えて、いろいろなことに迷っています。

ここはピアノを主軸にしたブログだから、単純にピアノおよびそれに連なることを書けばいいのですが、心情としてはなかなかそういう感じにも行かないときがあったりして、あれこれ考えさせられてしまいます。

昔は「たかだか個人ブログ」だからと気軽に考えていましたが、今は個人においても思いもよらないルールが求められ、そう無邪気には構えていられないようで、いちいち慎重にならざるを得ません。

少し大袈裟にいうなら、心の求めるまま、関心の命ずるままに書くと、そのほとんどはアウトの領域に入ってしまいます。
あるいは一生活者であればピアノ以外のことにも無関心ではいられず、以前はそういう時は素直に書いていましたが、そうすることが正しいのかどうかも、最近はよくわからないのです。
また、内容としても、どこまで踏み込んでいいのかいけないのか…といった見極めに多くのエネルギーをさいて、以前よりも言葉や表現にも数倍気を使うようになりました。

世の中は際限なく変化して、価値観や、ルールや、新常識といったものが猛スピードで変容していくから、こちらも時代の空気を嗅ぎ取りながらついて行かなくてはならないし、下手をすると、どんなことから槍玉に上がって不愉快な奈落へ落ち込むかもわからないので、その匙加減が非常に難しくなりました。

以前なら、自分が何ほどの人物でもあるまいし、ただ個人的に思ったことを個人的文章として書くのは、よほど過激なことや社会正義に反しないことであれば構わないだろうと判断していましたが、ネットというものがいよいよ怪物化してきた今日では、どこまでがボーダーラインなのか、正直言ってもうわかりません。

このところ世界で起こっている様々な出来事、プ氏が引き起した侵略戦争、隣国の脅威、北部にある異様な小国、パとイの争い、欧州の混乱、国内でも片づかない永田町の問題、東京都議選等々、そのつど思うことはいろいろあるけれど、それらはピアノとは関係ないし、そもそもそれを考えとしてまとめて文章にするほどの知見もないし、だいいち今どきはタブー(もしくはその可能性がある)とされるものがあまりに多すぎて窒息しそうになります。

もちろん一小市民のささやかな感じ方として書くことはアリかもしれませんが、そんな駄文拙文をわざわざネットに挙げる価値があるとも思えないし、あれこれと考えているうちに、ぽかんと空白地帯が生まれたように感じているこの頃です。

…と、ここまで書いてみたら、少し区切りがついた気もするので、また少しずつ書いてみようかと思います。

タブーとの戦い」への2件のフィードバック

  1. 胸の内を吐露することは大事だと思います。
    好き嫌いの自由が消えつつある昨今、令和の時代は本当に生きづらいと感じております。

    忌憚や辛辣にコンプラといった言動が頻発に発せられ、何だかことばだけが一人歩きしているように見受けられている一方でネットでは、過去にはなかった人間性を疑う誹謗中傷が散見され、一体全体どうなっているのか???。

    ドイツから発信されている日本の声楽家で車田さんの動画ではクラシックを専門に的をついた意見を論じています。
    先日も「クラシックの壁」のタイトルで要約させていただくと、クラシックの壁が高くなってしているのはクラシック愛好家で、クラシックを守る壁は大事ですが、「見通しの良い柵」であってもいいのではないのか、といったことを論じておりました。

    「見通しの良い柵」に随分感心いたしました。
    車田さんは全ての読者にリスペクトの心でハッキリ、きっぱり表現しているのでとても好感が持てます。

    マロニエさんのブログは妙に的を得た内容でスッキリ感があり、今後もボーダーラインなどお気になさらず発信してくださいね。
    楽しみにしております。

    • ごく簡単に云ってしまえば、昔に比べると「言いたいことが言えなくなった」という窮屈感ですね。
      これは多くの皆さんが同様の息苦しさを抱えておられるわけですから、なんとかその中でやっていくしかありませんが。

      ご案内の方の動画も以前何度か見たことはありますが、なにしろYouTubeは時間を取るし、見たいチャンネルも音楽以外にもいろいろあって、なかなか手が回りません。
      お示しの二つのタイトルは、そのうち見てみたいと思います。

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