うちに来られた方を車まで見送ろうと外へ一緒に玄関を出たところ、ぽつりと「ここはお掃除が大変ですね」と言われてしまいました。
やはりというべきか、これでも決してサボっているわけではないのですが、我が家はほうぼうから落ち葉の集まってくる場所のようで、この季節は家人も日課のごとく毎朝掃き掃除をやっているのですが、それをあざ笑うかのように連日とめどもなく大量の枯葉が落ちてきます。
午前中きれいに掃いても、夕方にはびっしりと次の葉が落ちています。
こう書くと、まるで広い庭でもあるかのようですが、そうではなくて、隣の家には幸か不幸か、めったにないような大きな木が何本もあり、それがマロニエ君の家のほうに向かって傘をさしかけたように枝を伸ばしていますし、さらには道を挟んで向かい側は、以前は県の古い団地だったものが、昨年建て替えられて新しいマンションになりましたが、そこの地所内にあった道路沿いに植えられた数本の樹木はそのまま残されました。
建物が変わっても、大きな木が切り倒されずに生き続けることは望ましいことなのですが、そのために数本の木が落とす膨大な量の枯葉が風の具合もあって、どんどん我が家のほうへ吹き寄せられてしまうのです。
今年もはや12月となりましたが、この季節からお正月にかけて落ち葉もいよいよ佳境を迎えます。
我が家のガレージ前は道路から少し奥に引いていることが災いして、そこが皮肉にも吹き溜まりとなり、周辺の落ち葉はわざわざ集められたようにここで止まって、我が家よりも先には行きません。
どうかするとあたり一面枯葉の海で、しかも大半はよそから飛んでくる枯葉なのですからその理不尽たるや甚だしいわけです。
本音を言うと、マンションの管理費の一部で清掃人でも雇ってほしいぐらいなところですが、現実にはそういうわけにもいかないでしょうから、半ば諦めて毎日掻き集めた枯葉を押し込んだポリ袋の数を着々と増やしています。
片や隣家からは、様々な枯葉やむろんのこと、春には木の実がコツコツと音を立てるほど落ちてきて、こっちはこっちでその始末だけでもかなりの労働となっています。
今どきはたき火をするのも憚られる時代ですが、我が家の場合、そんなことを言っていたら有料のゴミ袋が何枚あってもキリがなく、枯葉ならばいいだろうと天気の良い日には燃やすしかありません。
たき火の威力は絶大で、45Lのゴミ袋10個ぶんの枯葉が、わずか洗面器一杯分ぐらいの灰になってしまいます。
一度など、向かいが県営住宅だったころに、県の敷地内の木による落ち葉を毎日のように始末しているのだから、せめてゴミ袋ぐらい提供してもいいのではないかと県相手に掛け合ったことがあるのですが、なんとその担当者は、袋を提供する代わりに、ご迷惑ならそれらの木々を全部切ってしまいます!といったので、木を切ることは木を殺すことと同じ事ですよ!と言ってやめさせました。
役人というのは、まったくどうしようもない感性の持ち主です。