駐車場の暗闘

土日など非常に混み合った駐車場では現代人の嫌な習性を目にすることがよくあります。

満車状態の場合、どこか出ていく車はないものかとほうぼうで待機している車があるのは、どこでもよく目にする光景です。
駐車場内が一方通行になっているところも珍しくありませんが、ある場所から車が出ていって空きができると、こちらもそこに止めようとするわけですが、いきなり向こうから逆走してきて、強引に場所を取られたりすることがあります。

みんな空くのをじっと待っているのに、なんともお行儀のいい話です。
だいたいそんな事をするのは、ゴテゴテ飾りを付けた御神輿みたいな軽自動車か、はたまたいかにも中古で買って、派手なパーツだけくっつけて乗り回しているような年式遅れの「新車の時は高級車だった車」などがよくありますね。
それよりも気分的にいやなのは、買い物袋などをさげて車に戻ったにもかかわらず、乗ってから異様なほど時間をかけてまるで動こうとしない、明らかにいじわるな性格の人が少なくないということです。

こちらが待っていて、出たらそこに止めようと思っているというのが状況的に向こうにもわかるから、なおさら、どうでもいいようなことで最大限時間を取ってなかなか動こうとしません。
後ろを向いて荷物の整理のようなことをしたり、子供の世話のようなことをしたり、バッグの中をいじりまわしてみたり、まあとにかくいろんなことがはじまります。
ひどいのになると、さあいよいよもう終わりだろうと思いきや、今度は携帯電話をチェックしはじめたりします。こうやって動かないいじわるをするのは女性のほうが多く、このときの粘りは大したものです。

もういい!と思ってこちらも場所を変えたりすると、意地悪の対象がなくなってつまらないのか、あっけなく動き始めたりしますから、余裕があるときはこちらもテクニックとして一度姿を消してみせたりします。

とくにひどいのは、一見普通の主婦層で、だいたいユニクロかなにかのパンツをはいていて、小中学生ぐらいの子供がいて、表情も普通にしててもどこかイライラしているような、あのタイプですね。
たいていワンボックスやワゴンタイプなど、どう見ても「あなたには大きすぎるのでは…」と言いたくなるような車を顎を突き出して二階から運転するみたいに乗っています。

あるとき、180度方針転換して相手に一声話しかけてみる作戦にでました。
車に戻ってきた人へ窓越しに「すみません、出られますか?」ときくと、一瞬意外な顔をしますが、なんとも素直に「はい、でます!」と返事して、車に乗るなりえらく速やかに車を発進させてくれます。

みんな根は悪い人ではないのでしょうが、それだけに人の心理というのは、ほんとうにちょっとしたことなんですね。

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