省エネオイル

マロニエ君は普段の足代わりには日本車のコンパクトカーに乗っています。
実はこの手の車を買ったのは今の車がはじめてなのですが、これがもう想像以上に使い勝手が良く、小さいことそれ自体がすでに立派な性能だということがわかりました。
今後もこのクラスの車の圧倒的な実用性と、まるで自分の手足のように自在に泳ぎ回ることのできる魅力は、ちょっと捨てがたいものがあると確信するまでになりました。

良い点を挙げるとキリがないのですが、逆に大きい車のほうが勝る点のほうが数えるほどしかなく、なるほどコンパクトカーが巷で絶大な支持を得ていることが身をもってわかりました。
その良い点のひとつが燃費の良さと、ガソリンもレギュラーで事足りる点です。
小食で粗食にも耐え、故障とは無縁でいられるのは日本車の面目躍如といったところです。

さて、ふた月ほど前にオイル交換をするついでに、ちょっとこれまで挑戦したことのないオイルを入れてみました。0W-20という非常に柔らかい粘度のオイルで、いわゆる「省エネタイプ」のオイルです。

エンジンオイルというのもいったん凝り出すとキリのない世界なのですが、これまでは昔の悪いクセで、そんな車でもないのにモチュールというフランスの高級オイルを使っていました。
ところが、案の定これといった良さも大して感じないまま交換時期を迎えてしまい、次はおおいに方向転換してやろうと目論んでいました。

そこで、敢えてディーラーを避け、カーショップに出かけてオイル選びをはじめ、その結果、あるメーカーの省エネオイルを入れてみたというわけです。
オイルで省エネということは、簡単に言えば、サラサラのオイルを使うことで、エンジン内部のフリクションという一種の抵抗を軽減することでエンジンを軽く回して燃費を稼ごうという考え方です。

ピアノで言うなら、キーが軽くなれば指の負担が減るのと同じ理屈ですね。
重いキーの場合、そのぶんかかる指の負担が、エンジンで言うとガソリンを喰っているのとおなじことなわけです。
理屈はそうなのですが、だいたいエンジンオイルで省エネなんていうのは言葉ほど実をあげることはなかなかなくて、大半が僅差の世界、気分ばかりという結果に終わることも珍しくはありません。

ところが交換直後からエンジンのフケが軽くなり、以降二ヶ月ほど走った結果、何度給油してもおよそ1割がた燃費が間違いなく向上していることがわかり、その明確な結果に大いに満足しました。
現代のように、すでに極限まで効率を追求されつくして製品化される車の世界で、たかだかエンジンオイルで燃費が1割変わるというのは現実的にはかなり大変な事なのです。

肥満体の人がダイエットしたら靴の減り方が少なくなったというような微々たるものですが、しかし靴の減り方が少なくなるまでダイエットするというのも、考えてみればやっぱり大変なことですよね。

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