落ち葉焚き

我が家はとくに広い庭があるわけでもないのに、夏は草戦争、冬は落ち葉戦争が繰り広げられます。
大阪冬の陣/夏の陣は一回きりですが、我が家の庭戦争は毎年やっていますが、まだ片が付きません。

以前も書きましたが、マロニエ君の自宅は周囲の落ち葉が不思議に集まってくる落ち葉屋敷みたいなもので、そのうち自分の家の植木が落とす枯葉は果たして何割あるでしょうか?
全体の優に半分以上はよそから来る落ち葉であることは言うまでもありません。

毎日毎日この落ち葉が貯まりに貯まって、ちょっと油断すると45Lのポリ袋はものすごい数に達します。
これをいちいちゴミに出していたら、ゴミ袋代だけでもいくらかかるかわかったものじゃありませんし、なにしろ毎日のことですからその労力も大変なものになるわけです。

そこで福岡市は焚き火が原則禁止ではなく、「周囲に迷惑をかけたときのみ止めるよう指導」のようなので、ときどき落ち葉焚きをやっています。
昨年末から年明けにかけて天気が悪かったために、なかなかこれが出来ませんでしたが、昨日はようやく実行することができました。

亡くなった父が焚き火が好きで、僅かな火種から盛大に火をおこすのが得意で、ペットボトルなどを入れると良く燃えるなどと得意げに言っていましたが、今はさすがにご時世でそういうことはできなくなりました。
もちろん落ち葉と少しの紙以外は一切燃やしません。

しかし多少は父の技を受け継いだのか、いつも少しのチラシなどをから難なく落ち葉を赤く燃やすことができています(自慢じゃありませんが)。
マロニエ君が火をおこして燃やすのが担当、家人が次から次に裏から落ち葉の詰まった大きな袋をゆっさゆっさと持ってきますが、その数も大変なもので、昨日だけでもおそらく20ぐらいはあったように思います。
これに引き抜いたばかりの草などが混じっていると水分を含んでいるので燃えにくく、嫌な煙が出ますが、枯葉だけならパリパリと至って快調に燃えていきます。

我が家の場合、焚き火には夥しい量の落ち葉を焼却処分するという実用的な目的があるわけですが、ささやかな副産物もあって、とくにこの寒さの中で、体が焚き火に当たるのはとても心地よく、なんともいえない風情があるものです。
いやに年よりじみたことを言うようですが、現代の子供はこういう体験を一切しないまま成長していく子も少なくないのかと思うと、理屈でなく気の毒になります。

「こういう体験」というのには実はもうひとつ理由があって、落ち葉が燃え尽きた灰の山にアルミホイルに包んだサツマイモも入れるのがマロニエ君の楽しみで、普通サイズのものなら一時間も入れておけば、それはもう見事な焼き芋が出来上がります。
皮には一切焦げ目がないのに、中は芯の芯まで火のように熱くなっていて、まさにふっくらあつあつとはこのこと。その美味しさといったらありません!
これにバターを付けて2個でも食べようものなら、晩御飯も要らないくらい保ちの良い満腹が得られます。

これを食べると、まるで日ごろから迷惑をかけられっぱなしの落ち葉からの、せめてもの御礼のような気がします。

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