声に出しては言えないけれども、本心では文句を言ってやりたいことってあるものです。
例えばデパートや商業施設のエレベーターで、地下から4階や5階に行こうと乗っているとき、まず大抵1階は誰かが外からボタンを押しているので止まることが多いものです。
そのときに1階から乗ってきた人が、いきなり2階のボタンを押したりすると、内心ムッときてしまいます。とくに急いでいるときはそうなってしまいます。
もちろん状況によりますが、エスカレーターなどがふんだんにある環境にもかかわらず、こういう人って必ずいるものですが、何を考えているのか…おそらく何も考えていないのでしょう。
こっちも勝手かもしれませんが、こういう人のために1階に止まりこの人を乗せ、そしてまた2階に止まってこの人を降ろすという一連の時間というか、その経過が、性格的にイライラしてしまうのです。
あるいはビルやデパートなどの最上階あたりから降下中、途中に停止して一人が乗ってきたかと思うと、そのわずか1階か2階下で平然と降りてしまう。
だったらわざわざエレベーターを止めなくても、エスカレーターや階段を使ったほうが自分だって楽だろうに…と心の中で思ってしまいます。
もちろん体の不自由な人などは、まったくその限りではありませんが、だいたいポカッと口を開けたままのおばさんとか、自分のことにしか興味がなくやたらツンツンした女性などがよくこういうエレベーターの使い方をしてくださいます。
最近ひどかったのは、駐車場に向かう小さなエレベーターでのこと。
すでに地下2階から3〜4人乗っているところへ、1階から6〜7人のおばさま連が荷物とともにダダッと乗り込んできました。
その乗り方には他者に対する配慮も遠慮もまったくなしの、まさにドヤドヤという感じでした。
ところがあまりに勢いがあるので、先に乗っていた人の1人が押し倒されそうになり、他の人に抱き留められてあわや転倒は免れました。
それにお詫びをする風でもなく、体を張ってぎゅうぎゅうに詰めるだけ詰めて、そのたびにエレベーターはさも苦痛げにユサユサと揺れています。
1階から乗るつもりだったらしい他の人達はついに1人も乗ることができないまま、満員状態でドアはかろうじて閉まりました。まわりは無言、ガヤガヤといっているのはこのおばさん達だけです。
こんな調子だから乗り込むだけでもかなりの時間を要しました。
そんなわけでついに動き出したエレベーターでしたが、なんと、いきなり2階で停止。
それっとばかりにぎゅうぎゅうのおばさん達は全員降りてしまい、あとは虚しいまでにガラガラになってしまいました。
あまりのことに1人が「エスカレーター使えばいいのに…」と小さな声で言ったとたん、残りの数人は苦笑いしながら深く頷きました。
現代は若い人の礼儀ばかりが言われますが、年輩者の礼儀もなかなかのものです。