続・エコの盲点

エコの問題点では、なるほどと思うのはまだあります。
家電でも、消費電力のより少ない省エネタイプへの買い換えが推奨されており、ものによってはエコポイントまでつけて国絡みでそれを押し進めていますが、これも件の先生によればまったくの無駄だそうです。

その理由は省エネタイプへの買い換えによる消費電力の差が果たしてどれぐらいか、それを電気代に置き換え、発電量に換算したらどれだけの客観的利益があるかというと、まるでないのだそうで、むしろマイナスになる場合も少なくないとか。
その根拠は、電気製品を買い換えると、古いものはお金を使って処分しなくてはならず、それは最終的にエネルギーを使って処分される運命にあるわけです。巷の「省エネ」の概念にはこの処分のために使われるエネルギー消費が含まれていないのだそうです。
そして新しい製品を買うのもタダではないし、総合的に考えたらそこに要するお金とエネルギーを上回るだけの、本当の省エネ製品なんてまずないというわけで、よろこぶのは要するにメーカーや販売店だけなのです。

これは車でもなるほどと思うことがありました。
あるAメーカーのAAという車は、同クラスであるBメーカーのBBという車に、全国のユーザーの平均燃費(自己申告)にどうしても1割強ほど及ばず、BBが燃費の点では一枚上手であることが明らかでした。
それをAAのユーザーは自分の車への大きな不満点としてネット上で訴え、BBのユーザーはうらやましい、自分も車検まで乗ったら次はBBへの買い換えると示唆したのです。
するとすかさず反論が来ました。AAはBBに較べると新車時の価格が若干安く、さらに平均的な値引き幅もBBよりやや大きいので、全体としては実質的に約20万円ほどの差があるので、車検までの3年間でわずか1割りの燃費差を考えたところで、とうていその20万の差を燃費の差で凌駕することは出来ないはず、と。
金銭面だけでいうと、トータルの出費ではむしろAAのほうが若干有利であることもわかりました。

これで見事にその人は黙ってしまいました。

車も電気製品と同じで、大流行のハイブリッドカーにも疑問の余地が大いに残されているようです。
エコカーの時代到来の大号令のもと、プリウスなどは空前の売れ行きを示し、その数はながらくトヨタの販売の首位を守ってきたカローラさえ凌いだといいますから、これはもう大変な数字です。
しかし、そのぶん買い換えた車の中には、相当の台数が廃棄処分もされたはずですが、その処分に要する石油エネルギーもこれまた大変な量に達するものと思われます。

地球環境というからには、地球規模でものごとを比較・判断する必要があるのは当然ですが、買い換えの時期でもないのに続々とハイブリッドカーや低燃費車に乗り換えたことによる多少の消費燃料の低減と、乗り捨てた車の処分に要するエネルギーがトータルでどちらが地球にとって有効かを考えてみれば、やみくもな買い換えばかりを是とするわけにはいかないようです。

我々はやはりよくよく考えなければ、経済至上主義原理の中で、そうとは気付かずに踊らされているだけという、あまり愉快とはいいかねる実体があるようです。

エコというのはあくまでも総合的大局的に考えなくてはいけないもののようですね。

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