クスリを呑むタイミング

最近、人から聞いた話ですが、効果的にクスリを呑むタイミングというのは、広く普及している認識とは、どうも逆のようです。

まず普通の人の認識でいうと、クスリは体に良くないもの、できれば呑まない方がよいもの、呑むにしても極力我慢して、どうしてもというときに限るという認識があるはずです。
マロニエ君などは根性ナシですから、なにかあればクスリを呑むことにさほどの抵抗はありませんが、中にはクスリ=毒物のように思っていて、それを呑まないことが健康な自然派とでも言いたげな一種の喜びを持っている人がいるものです。
こういう人に言わせるとクスリをすぐ飲む人は、ほとんど「薬物依存」であるかのように決めつけたりします。

病気をしないということはなるほど自慢になりますが、この手の人達はクスリを呑まないことが価値であり、体に対する善行であるかのごとくで、その頑ななまでの意気込みには恐れ入ります。
風邪をひいても頭痛がしても、こういう人達は極力クスリを呑むことを避けようとし、人体の持つ自然治癒力を過信していて、自分の体はそれを最大限発揮できる機能があると信じたいかのごとくですが、マロニエ君などからみればいささか極端すぎるというか、どうかするとただの野人のようにも見えてしまうことがあります。

さて、前段が長くなりましたが、人からの受け売りですが、ある医師の説によると、クスリの最も効果のある賢い飲み方は、なんらかの症状が出て、それがまだ初期の段階に該当するクスリを呑むのだそうです。
つまりクスリはぐずぐずしないで一刻も早く呑みなさい!ということらしいのです。

もし仮にそれが市販薬の場合なら、さらに適量よりも若干多めに呑むとめざましい効果があるのだそうで、その医師に言わせると症状がひどくなるまで我慢するなど、まったくのナンセンスなのだそうです。

仮に軽いものでも、たとえ病気とはいわないようなものでも、少なくとも体に異変や異常があるときは、できるだけ早い段階でその異常を消してしまうのが専門家の観点からすると得策らしいのです。

まあ、よく考えてみれば頷けない話でもなく、仮にこれを火事にたとえるなら、大きな火の手があがるまで消火を手控えて我慢するなんてことはあり得ませんが、それと同じように捉えたらいいのかもしれませんね。
火が出ても、それが小さければ小さいほど消火は容易で被害も最小限で済むということでしょう。

その医師によれば、一刻も早くクスリを効果的に呑むことが、体への負担も最も少なく、トータルでのクスリの摂取量も少なくて済むので、良いことづくめだということです。

この話を聞いて我が身を振り返ってみると、そういえばちょっと思い当たることがあるのです。
たとえば風邪なども、おや?っと気付いたぐらいで、すぐにクスリを呑めばだいたいなんとか回避できることが多いのですが、たまに本格的な風邪をひいたりしたときのことを考えると、たしかにちょっと油断して一定時間を過ごしてしまっている場合などがあるのが自分でもわかります。
風邪などはひいてしまってからは、クスリも効きませんし、それでもあれこれとクスリ摂取量は比較にならないほど多くなってしまいますね。

果たして、なにが本当に体にとって一番得策かをよく考えたら、これは説得力のある話だと思いました。
少なくとも意地を張って、自然派を気取って、クスリを呑まないことが最善とはマロニエ君は思えません。
だいたいこういう人は、エアコンも嫌いで、真夏日でもクーラーは入れないなどと誇らしげにいうものですが、その認識とは裏腹に、体にはかなりストレスがかかっているように思うのですが…。

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