広島にCFX

このホームページ宛に、広島市安芸区民文化センターホールからご連絡をいただき、ヤマハの最新鋭コンサートグランドCFX(昨年のショパンコンクールで優勝が演奏したものと同型)が3月より同ホールに導入されたそうです。

なんと気前の良いことに、一般の人でもホールを借りればこのピアノが使えるということで使用料を調べてみると、時間区分によりますが3時間単位で、2万円強〜4万円弱というところで、ピアノサークルなどに使うにはもってこいだと思いました。
さすがに広島まで行くことはできませんが、こういうホールを地元に持っている人達がうらやましい限りです。

この広島のホールの案内を見ているとCFIIISからの買い換えのようで、今後はこうしてヤマハのコンサートグランドを設置していたホールがピアノを買い換えるたびにCFXにアップしていくのかと思うと、これはなかなかすごいことになるような気がします。

ホールの運営母体の多くが公共機関なので、ヤマハの納入実績さえあれば今後は必然的にCFXになるということなんでしょうね。価格的にはずいぶんと値上がりしていますけれども、そこはまあ公共施設ともなればハンコひとつで済んでしまう世界なのか、あるいは予算をうるさく検討するガチガチの世界なのか、そこのところはマロニエ君にはさっぱりわかりませんが。

ただ、いずれにしてもスタインウェイのDとほぼ同レベルにまで高騰したCFXの販売価格ですから、今後はあらゆるホールが、スタインウェイに較べて「安いから」という理由でヤマハになることはなくなり、専らお役所などが大好きな納入実績以外では、ピアノの優劣でのみで決することになるわけでしょうから、そのへんも含めて今後どんな展開になっていくかが興味深いところでもあります。

地域のプライドをかけたようなお飾りホールならピアノも何台も納入されるわけで問題はないでしょうが、地域ごとの生涯学習センターとか区民ホール、町民ホールのレベルでは、もし価格で選ぶならカワイのEX(SK-EXとは別でCFXの約半額)のみという事になりますね。
ちなみにほとんど納入実績がないディアパソンのコンサートグランドはEXよりもう少し安かったのですが、すでにホームページ内からも姿を消しているようですから、やはりカワイだけということになるのでしょう。

地域ごとの公民館に毛の生えたぐらいのホールには大抵ヤマハのCF〜CFIIISがありますが、これが今後CFXになっていくのだとすると、なんだかちょっと異様な気がしなくもありません。

パッと見はヤマハがコンサートグランドを一機種に絞ったことで選択の余地が無くなり、CFXが必要であってもなくてもこれが納入されるようにも見えますが、同時に二機種あるカワイにも、あるいはほとんど同価格帯となったスタインウェイにもビジネスチャンスが広がったということなのかもしれませんね。

尤も、あまり立派なピアノが不釣り合いな場所に納められて、現実にはせいぜいピアノ教室の発表会やコーラスの伴奏ぐらいしか出番がないといった惨めな生涯を過ごすことを考えると、この手の施設に納入されるピアノには、なんとも偲びがたいものも感じてしまいます。

尤も、販売する側にしてみれば、一台でも多く売って利益を上げなければならない厳しいビジネスの現場にあって、そんなきれい事は言ってられないことかもしれませんが…。

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