知事選挙

統一地方選も終わり、民主党が敗北したのは当然としても、同日に全国数箇所では知事選も行われ、その当落が確定しました。
東京では現職知事が4期目!に突入というのもどうかとは思いますが、それでも、あのお笑い出身の上昇志向の権化のような人が落選したのは、ほぼ予想したこととはいえ、万が一ということを考えると、あらためて妥当な結果が出てホッとさせられました。

落選後のインタビューによると、この人は前の県知事を1期で辞めたのは、鳥インフルエンザや口蹄疫の責任を取っての行動だったと言っているそうですが、だとしたら引責辞任した人が、ほとんど間を置かず、今度は一気に大東京の知事をめざして立候補したのは、いったいどういうことかと思います。
まあ、かつても自民党の選挙を牛耳る大物議員に向かって、「ワタシを(自民党の)総裁としてお戦いになるか?」などという、聞いたほうは悶絶しそうな事を言うような人ですから、その桁外れな欲望の前では、筋論もなにも求める方が愚かとも思いますが。

というわけで、東京はまたも物書き出身、スター俳優の兄であるあの人が再びその任に就くことになりましたが、いきなりお得意の○○節とやらを炸裂させて「日本人の我欲は戒めるべき!」「つましく暮らせ」などと、当選インタビューの段階から吠え始めたのは呆気にとられました。
今の20代の人などは知らない人も多いかと思いますが、実際にはこの人こそ「我欲の元祖」みたいな人で、若い頃からその我欲エネルギー一筋で今日まで来たような人なのに、いまさら何を言っているのかと思いました。

自民党の時代も総理になりたくてなりたくて、この人はどれだけの節操なき行動運動を繰り返してきたことか。
そのあくなき欲望ときたらあの永田町でさえ一際目立っていたというのに。
その挙げ句、とうとう総理の芽がなくなって、どうしようもなくなって、後出しジャンケンで都知事選に出たら通ったというだけのことで、そのほとんど妄想に近いような出世欲は、常軌を逸しているとしか思えないようなもので、その点ではお笑いの元知事とまさに同格でしょう。

そんな人の口を通して日本人は我欲がどうのといまさらお説教されても、かつての鳩山さんじゃありませんが『アナタの口から聞きたくはない』と言いたくなるのが正直なところです。
インタビューで何を聞かれても怒るばかり。総理でも何でも年下と見ればクン呼ばわりする癖も相変わらずで、やっぱりこの人、感じ悪いと思いました。

さて東京の事どころではありません。
我が地元も現職が4期勤めて引退することで新しい知事が誕生しましたが、この人の詳しいことは知りませんが、その映像を見ただけで、いきなり憂鬱になってしまいました。
はやくも前知事の院政などと囁かれますが、たしかに同じ大学の同じ学部で、同じく通産省の出身の官僚あがりですが、あまりにも華のない、陰と陽なら、まさに陰の、その暗いイメージには見るなり強烈な失望感と虚しさに襲われてしまいました。

インタビューされても、喋りがたどたどしくて話が流れず、言葉と言葉の間には老人のように間がありすぎて、質問者のほうも会話のリズムが何度かズッコケていましたし、当選したというのに笑顔のひとつもなく、コメントも相手の顔を見ず目線は常に下を向いているのはガッカリで、こんな人が知事になったのかと思うと暗澹たる気分です。

人の上に立つ人ということには、なにかそれらしい風格とか雰囲気というものが必要ですが、どうみてもそれは微塵も感じられませんし、別に美男美女である必要はありませんが、それなりのリーダーの顔(顔つき?)と人望がなくては人心を惹きつけることはできないでしょう。

一般論としても、どうみても人の上に立つ器ではない人が、なにかの拍子や巡り合わせでその地位に就いたときの違和感、あのなんともいたたまれない気分というのは、本当に見ていて気持ちが萎えていくものですが、最近、それを感じることがあまりに多すぎるように思います。

選挙事務所で斜め後ろに立っていた、なんにも中身のなさそうなテレビキャスター出身の若い市長のほうが、このときばかりは、はるかに明るくさわやかな感じに見えてしまいました。

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