今どきはどこでも「ポイントカード」というのがありますね。
このポイントカードの取扱いと運用をみていると、だいたいお店の質というものがわかります。
質というのは別に高級品を売っている店という意味ではもちろんなくて、いかにお客さんを大事にし、イメージアップこれ努めているかという点、いわばお店の体質とか店員教育のレベルです。
マロニエ君は以前は今よりももっとたくさんのポイントカードを持っていましたが、これのせいで肝心なものはろくに入っていない財布は常にパンパンに膨れ、いざ買い物をしてポイントカードを出す際にも必要な一枚を探し出すのにもレジで一苦労してしまいます。
そのポイントカードには甚だ腹立たしい要素がまとわりつくのは皆さんもご経験があることと思います。
たとえば、500円にハンコをひとつ押すということになっていたとすると、950円プラス消費税で997円であってもハンコは1個で、こういうことってなんか無性に不愉快になるわけです。端数はいつも切り捨てられ、実際の金額より少ないハンコしかもらっていないのだから、こういうギリギリの場合は2個押すのが人情というものです。
また、カードそのものにも有効期限があって、発行から一年間、中には半年なんてものもあります。
ハンコを20個貯めたらなんらかのサービスが提供されるというような場合、あとわずかで達成するというようなとき、レジの頭の悪そうなオネエチャンから、すげなく「期限切れとなっておりますので、新しいのをお作りしておきまぁす。」と一言のもとに切り捨てられて、今まで一年間我が財布の中ですごしてきたカードはあっけなく処分され、またゼロスタートの新しいカードを手渡されます。
こういうことが重なって、しだいにポイントカードは持たないよう(作らないよう)にしました。
いくら得するか知りませんが、あんなもののせいで意識が縛られ、挙げ句の果てには期限切れなんてことになるぐらいなら、はじめから何もないほうがよほどいいと思うようになりました。
だいいち期限なんて言ったって、今どきひとつの店だけにそうそう一途に通うはずもなく、一年を僅かに過ぎてもポイントが満杯になるまで繰り返し来てくれたお客さんというのは、本来ありがたいものであるはずです。
マロニエ君がおかしいと思うのは、そもそもポイントカードというものが、お客さんの獲得とサービス提供のためにやっていることなのだから、その基本理念を考えれば、運用にあまり厳格になりすぎてお客さんに逆に不快感を与えてしまうようでは、これぞ本末転倒だと思うのです。
これは経営者と末端の店員との意識のズレなのかもしれませんが、結果的にルールのほうがすべての上に君臨して、お客さんのほうがそれに従うという、もはや本来のサービスの精神とはかけ離れた結果を生んでしまっているような場合が多すぎるように思います。
冒頭の「お店の質」というのは、それを適宜お客さんの利益になるように柔軟性をもって計らってくれる店や店員さんもあるわけですが、質の悪い店ほど杓子定規なルールの奴隷になって、いつしかお客さんよりも店やルールのほうが上位に立って威張っている場合があるのは、もしマロニエ君が経営者ならとんでもないことだと思うのですが。
ひどいのになると、店員がポイントカードのルールを語るときの態度が、まるで法令でも盾に取る官憲のごとくで、冷淡かつ上から目線の場合などもあり、こうなるとその店に対するイメージが悪化し、下手をすればこんな店には二度と来るものかという最悪の事態にも発展するものです。
たかがポイントカードぐらいなことで、ルールの執行者のような気になっているガチガチの店員ほど腹立たしくバカに見えるものはありません。
まあ、あんなものはないほうがよほど気楽に買い物が出来るということで、最近は大幅に縮小していますし、「お作りしましょうか?」と聞かれたときに、「いえ、要りません!」と言ってやるときの気分の良さといったらありません。
最近気がついたところでは、これを断っている人がかなり多いことで、やはり皆さん同じなんだなあと思います。