常識は非常識?

たまたまテレビを見て知ったことですが、最近の人の行動にはエッと驚愕させられることがあるものです。

それは簡単に言えば礼儀知らずということになるわけですが、どうも、そういう言葉さえ適切ではないような、もっと根本にあるもののどうしようもない成り立ちの違いをしみじみと感じさせられることがあるのは決して珍しくありません。

何事も正否にほとんどかかわりなく、数さえ増えればその勢力がうまれ、拡大し、しだいにそれがスタンダード化していくというのは、まるでバッタの大群みたいで、ほとんど個人差の領域を凌駕してしまっている点はつくづくと驚かされる点です。
しかもこれといった悪意すらもなく、本当になにひとつ礼儀らしきものを知らない無知のなせる技であるようで、だから当人はまさか自分がそんな非礼をやらかしているなどという意識も自覚もないようです。
正に字の如く、礼儀を知らずに歳だけ大人になってしまった人が大挙して世の中に現れ、それが日本人の文化を駆逐しながら尚もうねりとなっているようです。
だからこそ、この流れは、とどまるところを知らないのでしょう。

そのテレビでびっくりしたのは、今回の東北の震災で被災した人達のいる避難所に天皇皇后両陛下が御見舞にお出でになったときのこと、両陛下が床に両膝をついてお話をされているというのに、それを受ける側(若い人だったらしいですが)はなんと、帽子もとらず、足はあぐらをかいたまま!!でずっと話をしていたとか。
また別の日に皇太子両殿下が行かれたときには、ほとんど信じがたい事に「写メ、いいですか?」といって、記念撮影を所望し、なんと殿下はそれに応じられたとか!!

こういうことが、ただ単に時代だというだけで片づけられることだろうかと思います。
これがもし、皇族に対する思想的なものの絡みがあり、ある種の抵抗心からの行動ならまだ理解のしようもあるでしょうが、そういうことではなく、ただの無知であり、ただの無邪気さであるところが、よけいに驚きを募らせます。

マロニエ君は別に天皇制や皇族方に対して格別の思いもなにも持ってはいませんが、でもしかし、少なくとも日本という国に生まれ育って、そこに長く暮らしてきたからには、皇族の方々のお出ましに際して、気持ちがどうであれ、こういう態度をとるというのは体質的本能的に、夢にも考えられないことではないでしょうか。
これはほとんど日本人のいわばDNAにかかわる問題だと思いますが、もはやそういうものすら消滅しかかっているのでしょうか?

ただ、これらは、ただ彼らが非礼でけしからん!というだけで済まされる問題ではなく、それを大事な成長期に教えなかった親をはじめとする周りの人間、ひいてはそういう感性を容認させた社会にも大きな責任があるのだと思います。
現代は本当にこういう人間が出現するような環境なんでしょうね。

個人的経験で言っても、本当に社会常識のない、無知でひたすら受身な種族というのが異常なまでに多すぎると感じます。
しかも彼らには一向に悪意すらないところが、いよいよ始末に負えないところです。
恐ろしいことには、それで立腹のひとつもしようものなら、下手をするとこちらのほうが悪者にされかねません。

自分が普通だと思ってきたことが、最近ではことごとく裏切られるシーンに直面するのは本当に虚しいものです。
しかも、それが年々スタンダードのようになり、もはや無人島にでも行って社会との関わりを断たない限り、そういう人達と関わり交わりながら生きて行かなくてはいけないところまで、日本の社会が来てしまっていることは、かなり危ないことだと思います。

受身のスタンスも度が過ぎると邪悪ですね。

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